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僕らの日々は。
【コメディ その他小説】

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僕らの日々は。 〜とある家庭の夕食事情〜-1

とある日のこと。

沖田家にて。


「春風ー。今日の晩御飯何が食べたいー?」
「晩御飯?」

リビングでテレビを見ていた僕に、母親が尋ねてきた。

今日は日曜日。
普段は仕事で少し遅くなるためあまり晩御飯に手間をかけない母なのだが(というか、たいていの場合僕が作っている)、休日にはきちんとしたものを作りたがるのだ。

「んー、まぁ何でもいいよ?」
「コラ」

後ろからチョップされた。

「……なぜチョップを」
「あんたねぇ、そうやって質問を丸投げされるのが1番困るんだから!ちゃんと考えなさい!」

怒られた。
食べたいもの、ねぇ……?

「あ、そうだ」
「何?何でもいいわよ?」


母は嬉しそうに言い、


「カレーとか」


またチョップされた。


「……痛いんだけど」
「春風、せっかくお母さんが作るんだからカレーとか簡単なものじゃなくてちゃんとリクエストしなさい!」
「いや、普通にカレーが食べたかったから言ったんだけど……。っていうかカレーもそんなに簡単ってワケでも無いと思う」
「何かあるでしょ?ほら、魚が食べたいとか!」
「魚ねぇ……」
「特にアジの南蛮漬けが食べたい、とか!」
「あぁ、アジの……え?」
「春風、食べたいわよね?アジの南蛮漬け!」
「え?まぁ、うん……」
「分かった!買い物に行ってくるわね!」

言うなり機嫌良さそうに家を出る我が母。

「………………」

あとには僕が取り残される。


「自分が食べたいなら、素直にそう言えばいいのに……」


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