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『愛を映す、君を愛す』
【学園物 官能小説】

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『愛を写す、君を愛すF』-1

「カレシがいるの」
僕はこの言葉にショックを受けた。

山本ユリカと話すようになって、ここ2日。
恥ずかしい話だが、山本ユリカは少なくとも
僕に好意を寄せていると思いこんでいた。
だから、これまでの山本ユリカに対する僕の行動は
あくまでからかっているつもりだった。

が、
その好意というのは僕の全くの勘違いであって、
僕は一人ピエロだったわけで、
山本ユリカは本当に迷惑をしていたのだ。
僕は自分自身があまりにも滑稽すぎて自己嫌悪に陥る。

そんなことに意識がいってしまっていたら
山本ユリカはズッと鼻をならせた。

「ばーか、本気になってんじゃねぇよ。」
僕は山本ユリカのはだけたシャツを直してやる。
「冗談にきまってんだろ。」
「………。」
山本ユリカはもう一度鼻をならせる。
「だいたい、胸がないやつなんか興味ねぇし。」
僕は精一杯の見栄を張る。
自分のこと言われた山本ユリカは
ハッと自身の胸元を手のひらで隠した。

「…大久保はカノジョいないの?」
「いないよ。」僕は即答する。
そして
「カノジョなんてめんどくせぇ」と本音を付け加えた。

「…じゃぁ…あのセンパイはカノジョじゃないの…?」
と言われ、僕の心臓はドキッとした。
センパイとの関係は誰にも話していないし、誰にも知られていないはずだからだ。

「…何のこと?」
僕はごまかそうとシラをきることにした。
「…や、あの、1つ上の清楚なセンパイ…。」
誰も知るはずがない関係をなぜか山本ユリカは知っていて、僕は焦った。
別に、僕としては知られていても構わない事実だが、
山本ユリカが僕のどこまでを知っているのかわからなくなり、恐怖感に襲われる。

「…なんで、知ってんの?」
僕はごく普通であたりまえの返答をする。
この際、正面からこの会話と向き合うことにしてみることにした。
「えっと………女のカンってやつかな?」
と今度は山本ユリカが目を泳がせながら言った。
女のカンとか意味がわからない言い方に僕は「は?」と聞き返してしまう。

「だから、女のカンなんだってば。
大久保とすれ違う時のセンパイ、他の人とかとはどことなく違うんだもん。
大久保もムシしてるようでしてる雰囲気じゃないし…。」
山本ユリカは僕とセンパイの事実を女のカンとかいうやつでみごとに見抜いていて
僕はかえって感心してしまった。

「山本さんって洞察力すごいな。」
僕は山本ユリカのカンというものに感心し、思わずつぶやいてしまった。
「ってことはやっぱりカノジョなのっ?」
「いや?あの人は大学生のカレシがちゃんといるよ。
ま、俺らの関係は簡単にいうとセフレかな。」
「セッ……ωΦλζθЗπッッ?」
僕が包み隠さず、センパイとの関係を打ち明けると、
山本ユリカは文字化けと同様にこの世にない言葉を話した。
「ま。お互い手短な性欲処理機ってとこ。山本さんには刺激強いかもね。」
と、僕が馬鹿にすると山本ユリカはギュッと自分の足をかかえこんで拗ねた態度をとった。


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