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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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泥酔白雪=!!??-3

3 ふと、先程白雪が手を出していた缶に目が行く。
オレンジの絵がプリントされていて、一見オレンジジュースだが……。
「カシスオレンジ……」
見事にチューハイだった。チューハイ一本でここまで酔うとは、白雪も実はアルコール駄目だったのな。
「ケ〜ン〜」
俺の名前を呼びながら、白雪がますます抱きついてくる。
いつの間にか、位置が腕から真正面に変わっていた。
「キスしてぇ〜」
腕を俺の首に回して、唇をさしだしてきた。
性格変わりすぎだ。アルコール恐るべし。
「ん〜〜………」
いやいやいやいや………誰もいない所でだったらそりゃもう大歓迎なんだけど……。みんないるしなぁ。つーか、ワクワクして見てやがるのが解る。
「ここでは、ちょっとな。後でなら……」
流石に実行するのは無理だと判断した俺はそう言った。
周りがすごく残念がってる。
で、白雪は……。
「ケン、アタシの事…嫌いになった?」
う……。
酔った白雪が涙目で見つめてくる。
「嫌ってなんかいない」
「じゃあ、キス…して」
………どーしよ。
俺は助けを求めて、周りを見た。が、みんなすごくワクワクしてやがる。
もう、目が「しろ!」って言ってる。
独なんて、カメラ持って……って何を持ってるんだ!!
「テメェ、独。そのカメラ寄越せ!!」
「まぁ、そういうな。ちゃんと焼き増しして渡すから」
「そういう問題じゃねぇ!!」
独からカメラを奪う為に、白雪から離れようとした。
が、白雪が放してくれない。
「ケン、ダメ。キスしてからぁ」
いや、白雪さん。そのキスシーン、ばっちり撮られますよ、このままじゃ。
「ケ〜ン〜」
恥ずかしさを取るか、最愛の人のお願いを取るか。二者択一。
って、正直迷う要素なんざ一つもないけど。
例え酔っていても、白雪のお願いを聞かないわけがない。白雪のためだったら、恥ずかしいなんて感情は捨ててやる。………我慢ぐらいしてやるさ。
こうなったら、期待に応えて見せてやるよ。逆に恥ずかしくなるぐらいにな。
意を決して、深く深くキスをする。貪るように、と言うのが的確な表現だ。
そのくらい激しく、長いキスを見せつけてやった。
どのくらいしたかはわからない。俺はそっと唇を離した。
「ご期待に応えたけど、これでいいか?」
真っ赤になっていたギャラリーにこう告げる。ギャラリー達は頷くしかなかった。
と、白雪は……ありゃ?
「寝てる……」
キスしてる間に寝てしまったのか、可愛い寝息をたてながら、ソファーで眠りこけていた。
……おやすみ、白雪。

 

二日後
俺は自分の席に座っていた。白雪の席とは結構離れている。
「憲、できたぞ」
そう言って、独が封筒を渡してきた。
「なんだこれ?」
「見たら解る」
そのまま独は、他のクラスメイトの所に歩いていった。
で、なんだろ……って、これは!?
封筒の中から出てきたのは例のキスシーンの写真。うわぁ、ばっちり写ってら。
「憲、何見てんだ?」
そこに登場、白雪さん。
隠す暇もなく写真を奪われた。
「な、なななな!?」
「覚えてないのか?酔ったお前がせがむからしたんだぞ」
「……誰が撮ったんだ?」
「独だ。多分、ばらまいてるぞ」
「高坂ぁ〜!」
般若の形相で、白雪発進!
あ〜あ、死んだな。
「ままま待てっ、話せば分かる」
「問答無用!!」
「ヒデブッ!!」
合掌。
安らかにな、独。


END


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