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ENDS
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ENDS-8

夜も更けた。
オレの腕を枕にして姫代は気持ち良さそうに眠っている。
頭の中で朝希ちゃんの声が反響していた。

『あんたと姫代、どっちが大切なの』

そんなの決まっている。考えるまでもねぇよ。
気がついたら真っ暗な部屋にいて、足元には安らかな顔して眠る女の子。
枕元にはその子と思わしき笑顔の写真。
人間でないことは分かっていた。名前以外は何も覚えてない。
思い出が無かった。
だけど姫代を見た瞬間、これから出来るかもしれない思い出をこの子でいっぱいにしたいと思った。
今思えばその時からずっとずっと

「好き」

夢を見ているのか、姫代が微笑んだ。
動いていないはずの心臓がキュッと締め付けられる。
自分ですら存在を認められなかったから言えなかった言葉。
ふざけて誤魔化してきたけどもういいだろ。

「姫代、大好きだったよ」

姫代の頬にそっとキスをした。唇には、出来ない。
いつか巡り会う誰かのために取っておかなきゃ。
ゆっくりと姫代の頭の下から腕を抜く。

「オレを認めてくれてありがと」

その日、オレは姫代の前から姿を消した。


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