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『私の咎』
【熟女/人妻 官能小説】

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『私の咎』-9

―*―

 普段なら午前中から夕方までで終わるパートだが、今日は午後から八時を回るころまでといわれている。
 英明にも伝えており、秋雄ももう五年生。もちろん急いで帰るつもりだけれど、家族を信頼してもよいはずだ。

「店長、運び終わりました。次は……」

 ニリットリペットボトル六箱入り、二ダース。お菓子の詰め合わせの陳列、ポップアップの作成と飾り付ける作業。
 ひとつひとつはそれほど大変なことではないが、数が数だけにそれなりに時間がかかる。

 ただ……、

 ――そんなにかかるかな? これぐらいなら朝から来れば普通に終わるんじゃないのかな?

 仕事時間の配分を間違えているようなシフトに疑問が浮かぶ。
 バックルームで値段変更作業をしていた博は先ほど聞こえるように「完了」とあくびをしていたのだが、明日の準備もすでに飾りつけ程度であり、それは開店時間に行うこと。
 余裕を持ってシフトを組んだのだろうか?
 それほど経営に余裕があるわけでもないという噂のACマートがそんな太っ腹なことをするはずもない。

 ――まあいいわ。早く帰れるならそのほうがいいし……。

「あ、島本さん。今日は少しレジも手伝ってよ。明日大変だしさ……」

 ――あー、なるほど。そのためのシフトね。

「はーい、いま行きます」

 それなりの答えに奈津美は納得して博とともにレジに向かった。

―*―

「千百九十二円になります……」
「いらっしゃいませ、○○円が一点、こちら半額です。こちら、三十%引きです……」
「ありがとうございます、またお越しくださいませ」
「お待たせいたしました……」」

 前の仕事のおかげで愛想笑いと言葉は出る。
 けれど、手が追いつかない。
 スピードが全然違う。

 それらを即座に捌く博には尊敬の気持ちが生まれてくる。

「ふぅ、島本さんも練習してみますか?」

 一通りお客さんが少なくなったところで博は立ち位置を交換する。

「はい、がんばります」

 研修のときに何度かレジの使い方を教わってはいたが、実際に客を目の前にして、
なおかつ列を作られると焦りが生じてくる。
 そんなときに後ろから「焦らなくていい」と言われても、気休めにすらならない。

「お待たせしました、お預かりいたします……」

 慣れないレジ打ちに戸惑うこと数十分、

「島本さん、代わりましょう」

 見かねた博が切り出すので、奈津美もそれに頷き、場所を交換する……が、

 ――え?

 お尻の辺りを撫でられた気がした。
 狭いレジ内だから触れるのは当たり前。先ほど補佐をしていたときも何度か身体が触れ合うこともあったわけで、それほど気にする必要もない。

「いらっしゃいませ、お預かりいたします」

 奈津美の困惑をよそに、博はてきぱきと仕事をこなす。

 ――きっと気のせいよ。だってそんな暇ないもの……。

「○○円になります……、××円のお返しになります。ありがとうございました」

 気持ちを切り替えて仕事に戻る奈津美は、背後に刺さる視線に気付くこともない……。


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