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『愛を映す、君を愛す』
【学園物 官能小説】

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『愛を映す、君を愛す』-3

校庭からは野球部の野太い声が聞こえてくる。
ウチの高校の野球部は弱小で、大会はたいてい1回戦敗退なのに
皆よくがんばるなぁと感心する。
僕だったらこんな不毛な活動はたえられない。

冷たい床に横になっていたせいか、体が冷えてしまった。
ブレザーもカバンも教室に置いたままだったので
ひとまず教室に向かう。

教室につくと
もう誰もいなくていいはずなのに
1人だけまだ残っていた。

しかも何故か僕の席に座ってる。

よく見ると何かを見ているようで
その何かに気がついた瞬間
思わず駆けよって奪い取った。



「あ。」

僕の席に座っていたのは
同じクラスの山本ユリカだった。

「あ。じゃねぇし。
アンタ何勝手に見てるわけ。」

「アンタじゃないし。
ソレ大久保が撮ったの?」

山本が見ていたのは僕の写真だった。
だけど少しも悪びれた様子もなく
会話を続けきた。

「あのさ。
月刊の写真雑誌の投稿ページに
よく大久保タクミってあるけど
ソレって大久保?」

「は?」

「大久保って風景写真が好きなの?」

「ちょっ・・・」

「大久保って写真家になりたいの?」

「おい!!!ちょっと待てよ!
それよりアンタは人のを勝手に見てて悪いとも思わないわけ?」

「アンタじゃないってば。
・・・・・・・・・・・・ゴメンナサイ。」

これが僕と山本ユリカとの初めての会話だ


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