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Dear
【家族 その他小説】

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Dear-2

『また明日ね』と
笑顔で手をふって
別れたあの日


あの日が
最後になるなんて

夢にも
思ってなかったから




あなたの大きな
あたたかい手が
大好きでした

あなたの大きな背中が
大好きでした

あなたの私を呼ぶ声が
大好きでした



いつも
呼び捨てになんか
しないのに

あの日
私の名を呼んで
『綺麗な眼をしてるね』


あなたはそう言ってくれた


今年でもう
あなたが逝ってから
12年目になった

しちゃいけないことを
たくさんしてきた

人をたくさん
傷つけてきた


私の瞳は
少し汚れ過ぎてしまった
かもしれない


悪い子でごめんね

良い子になれなくて
ごめんなさい



今この歳になって

聞きたかったことが
伝えたかったことが
言えなかったことが


つのっていくばかりだよ


赤いVIRGINLOADも
あなたと
歩くつもりだった

ハタチの振袖も
あなたと
写真をとりたかった



でも1番に
伝えたかった言葉は
今も変わらない



パパが大好きだよ


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