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秘密〜出会い〜
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秘密〜何故〜-2

―─



文化祭も無事終わり、クッキーも見事完売し、私はえみと展示した写真の片付けをしていた。

まず真っ先に、あのにっくき写真を剥がした。

「お〜早速剥がされてンなぁ〜」
陸先輩とまぁ先輩がやって来た。

私はチラッと陸先輩を見て、目があうと、フンッと思いっきり顔を背けてやった。

「あ〜あ、なっちゃん怒っちゃった」
まぁ先輩が陸先輩をからかう。

「この俺に撮って貰ったっていうのにね〜」
陸先輩はテーブルに裏返しにして置いておいた写真を手に取り言った。

「撮ってくれ、なんて頼んでないです」
私は不機嫌さを全面に出して言った。

「なっちゃんにとったらイヤだったろうけど、でも、一つの作品として、凄い良かったと思うよ」
まぁ先輩がにっこり笑って言った。

「ただの寝顔写真ですよ」
まぁ先輩が心から言ってるのはわかってた。
でも素直に受け止められなくて、すねた感じで言ってしまった。

「そう、そこが凄いんだ。
確かに軽く笑っているんだとは思う。
でも、思いっきり笑ってる写真じゃない。
笑顔を見れば笑顔になれる。
でも、寝顔を見て笑顔になれるなんて、そうなくない?
子どもや好きな人の寝顔じゃない、他人の寝顔だよ?
でも、あの写真見てた人、結構笑ってなかった?
バカにした笑いじゃなくて、幸せそうに微笑んでる感じ」

「そう、言われると…」

(確かにそういう人がいたし、『見てるだけで幸せがこっちにも伝わって来て、心があったかくなる』なんて言ってる人もいたっけ)

「なっちゃんと陸だから出来た作品なんじゃないかな?」
まぁ先輩がにこっと笑った。

「え?それって、どういう意味…」

「ほら!ちゃっちゃと片付けるわよ!
パネルも片付けなきゃなんだから!」

やってきたみー先輩の言葉で私たちは再び片付けをはじめ、それ以上まぁ先輩に聞くことは出来なかった―─



文化祭が終わり、どんどん秋が深まってきた、ある土曜日のこと。

バイトが終わりケータイを見ると、篤也からのメールと、陸先輩からの着信があった。
まず篤也にメールを返して、先輩に電話をかけた。
私からかけても出ないのがわかっているので、3度目のコールが鳴り止んだところで電話を切った。

すると、先輩から電話がきた。
私は少し胸の奥がうずきながら電話にでた。

「もしもし」

『明日ヒマ?』

「明日、ですか?」
突然の話についていけない私。


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