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脅迫文=恋文?
【コメディ 恋愛小説】

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白雪姫=白雪=女大魔王-2

2 「へぇ、結構綺麗じゃん」
白雪の口調が元に戻った。やっぱり、白雪はこの口調が自然だな。
「………お前、何しに来た」
ベッドに腰かける白雪を見る。
「別に用はないよ。彼女が彼氏の家に来ちゃいけないのか?」
「来るんだったら、連絡ぐらい入れろ!それになんださっきの演技は!?」
「だって、面倒くさいし。演技は上手かったろ?地で喋ったらひくと思ってさ」
確かに、これだけの美人が男言葉を使うと違和感がありすぎる。
「あぁ、上手すぎて鳥肌がたった」
「失礼だな」
そう言いながらも、白雪は笑みを浮かべる。やっぱり可愛い。まぁ、親父たちが驚くのも無理はないな。
「て言うか、もう1時過ぎだぜ?こんな時間まで寝てんなよ。そういや、朝だっていつもギリギリだったよな」
部屋を見回しながら言ってきた。
「低血圧なんだよ、俺は」
「ふ〜ん、不真面目なアタシでも、無遅刻なのに」
そう、白雪は無遅刻なのだ。但し、サボりまくり、無断早退の常習犯だ。付き合いはじめてからは、一緒に帰ってるから早退はしてない。
「……そうだ」
あ、悪企みオーラが出てる。なんか企みやがったな。
「アタシが毎日起こしに来てやるよ。代わりに、憲はアタシを後ろにのせてチャリを漕げ」
成程、白雪にもメリットがあるわけね。
白雪の家は、俺の家から十分程の所で比較的近い。そして、俺はチャリ通だ。学校まではだいたい十五分かかる。
「な?良いアイディアだろ?」
「じゃあ、頼もうかな」
「そうこなくっちゃな!」
で、次の日の朝から、俺の平穏な朝は失われた。

月曜日、往復ビンタで起こされる。めっちゃ痛かった。起きても叩きやがって、楽しんでないか?アイツ。
火曜日、ヘッドフォンを俺に被せ、音量最大にしたコンポに繋いだマイクで起こされた。死ぬかと思った。いやもう、ホントに。鼓膜破れたらどうするんだ。

で、今日はダンベルを腹に落とされた。胃が潰れるかと思った。せっかくまた、白雪姫な白雪との夢だったのに………。夢の中みたいに、白雪にもおしとやかになってもらいたいものだ。
そんな事考えながら、俺は白雪を乗せて、チャリを漕ぐのだった。

俺の平穏な朝が、生死の境をくぐる朝になって一週間がたった。
先週の金曜日の朝は、水を鼻に流し込まれた。いや、もうホントに死ぬ。起きようにも起きれない自分自身が妬ましい。

で、次は絶対に自分で起きるぞ!と、息巻いて寝たら、母さんに起こされた。
いつもよりも、遅いのに白雪は来てない。
不思議に思いもしたが、アイツの事だから、めんどくさくなったんだろう、と決めつけて学校に急いだ。

学校に着いても、アイツはいなかった。おかしい。三年間、無遅刻を目指してるアイツが遅刻?何か有ったのか?
まさか、事故ったとか!?いや、美人だからそこらの男に無理矢理………は無いな。白雪の蹴りは恐ろしく速い、って評判だ。でも、万が一ってのも……。
「どうした、彼女がいないから寂しいのか?俺が慰めてやろうか?」
ネガティブな方に思考が進行中の俺に独が話しかけてきた。って、気色悪いこと言うな!
ちなみに、俺と白雪が付き合い始めた事を、クラスのみんなに暴露したのは、独だ。
当初、俺たちは内緒にしておこうという事にしていた。なんと言うか、寝掘り葉掘り聞かれるのは、白雪も俺も好きじゃないからだ。
しかし、俺は一応、ラブレターの事は知っている独にだけは結果を話した。
で、次の日、クラスどころか、学校中にバレていた。僅か二日の隠し事だった。
「いらんわ、気色悪い」
「お前なぁ、矢城の愛は受け入れて、俺の愛は受け入れてくれないのか?」
「論外だ、馬鹿たれ」
「…でもよ、良く続いてるよな」
「そりゃあ、まぁ、な」
何て事を話していたら、教室に白雪が入ってきた。
一先ず安心した俺は、白雪に駆け寄った。
「白雪!朝、どうしたんだよ?」
「……え?あ、朝な。ゴメンゴメン。何か、昨日の夜から熱っぽくってさ」
「熱?」
そういや、顔が赤いし、息も荒いな。美人だから、妙に色っぽいけど、辛そうだ。
俺は右手を白雪の額に当てた、って、ムッチャ熱いぞ!!
「ば、馬鹿!だいぶ熱あるぞ!なんで休まないんだよ!?」
「だってよ、憲に会えないじゃん……」
「あのな………」
まわり連中は信じられない事を耳にしたって顔だ。まぁ、無理無いけど。
「馬鹿な事、言ってんな。ほれ、180゜回頭だ。家まで送ってやる」
「へ?い、良いって!こんなぐらい、アタシは平気だ………って、あれ……?」
「し、白雪!!」
案の定、白雪は高熱なのに無理をした事が原因で倒れてしまった。


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