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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 最終話「告白しタイッ!?」-18

 が、

「いや! 離してよ!」
「うるせーよ。お前が盗み聞きなんかしてんのがわりーんだよ」
「だって、こんなとこにいるなんて思わなかったし」
「俺だってお前がいるなんて思わなかったよ」
「お互い同じこと考えるなんてまあ不思議。両想いってことで、勘弁してもらえないでしょうか?」
「うっせーっつうの」
「おい、ぼうっとしてないで手伝えよ」
「え? いや、どうすんだよ……、優捕まえてさ」

 冷静になったらしい和也は悟の思惑を理解できず、真吾のほうを見る。

「サトチン、どうすんの?」

 同感だったらしい真吾も首を傾げて処置に困ってる様子。

「あのなあ、お前らやりたくねーのか?」
「なんかあったっけ?」
「さあ?」
「あほか。いいか? 俺らの計画聞かれたんだぞ? もしこれがばれたら体育の新井になにされっかわかんねーぞ? それに、最悪退学だっつうの」
「いや、別にそんな。まだ未遂だしさ」

 のんきな性格らしい和也はこれ以上物事を複雑にしたくないらしく乗り気にない。

「なあ」

 さらに真吾も急な話題に困惑しているらしく、優に話を振り出すしまつ。

「うん。私黙ってるよ」
「お前は黙ってろ。だからさ、いいか? チャンスじゃねーか。優の口封じと俺らが童貞捨てるチャンスだよ」
「え?」
「おい、まじで?」
「なんだよ、さっきまで里美襲う計画立ててただろうが」
「いや、でも、無理やりは良くないよ」

 戸惑いを隠せなくなった和也が言うと、真吾と優が頷く。

「お前らなあ。いいか? 俺らは里美のことレイプしたようなもんだろ? いまはほら、まだなんともなんねーけど、いつちくられるかわかんねーじゃん。そういうときのためにこういう切り札を取っておくんだろ? 違うか?」
「でもそれってちくられること増やしてね?」
「もっと頭使えよ。こいつをレイプしてだぞ。写メ撮れば言いにくくなるだろ? 里美がチクれば友達のほうもかわいそうな目に遭うって脅せるだろうが」
「なるほど」
「頭良いね」

 真吾に協調して頷く優に悟は力が抜けそうになるのを感じてしまう。

「そんなのだめだって!」

 本来反対するべき優を差し置いて声だかに叫ぶのは例によって和也。

「なんだよ、さっきから」

 水を差された悟は語気を荒げ、優を真吾のほうへ押し付ける。

「お前さ、同罪だってわかってるのか? いまさら改心しましたなんて通用しねーんだよ。つかさ、うぜーよ……」

 悟は和也に数歩歩み寄ると、次の瞬間、鼻先に鋭くこぶしを叩き込んだ。

「あっ!」

 真吾の注意が目の前の出来事に向いた瞬間、今が逃げるには絶好のチャンス。にもかかわらず、足がすくんだのは、血なまぐさい現実を目にしたからだろう……。


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