投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

「瓦礫のジェネレーション」
【その他 官能小説】

「瓦礫のジェネレーション」の最初へ 「瓦礫のジェネレーション」 27 「瓦礫のジェネレーション」 29 「瓦礫のジェネレーション」の最後へ

「瓦礫のジェネレーション」-28

店は確かにかおりの年頃の女の子が好みそうなこじゃれた感じで、健志はサラダとパスタにデザートの軽いコースをオーダーした。
「かおりは、進路とかはどうなの?3年だろ?」
「一応、S大の法学部が志望なんです」
「法学部か。頭いいんだな。あの彼氏は?」
不意に話題が拓也のことになった。かおりは急に暗い表情になると、ぼそっと言った。
「拓也さん…川上先輩は、1年先輩で生徒会長だったんです。今はH学院大学に行ってます」
「H学院?遠距離か。寂しかっただろ」
健志の言葉には揶揄する調子はなかった。
「……でも、もういいんです。もう、終わったことですから」
(一体誰のせいよ、終わったのは)
かおりの脳裏にあの日のことが浮かび上がる。拓也の見ているのも忘れ、彼の目の前で、この健志に弄ばれて淫らな姿を曝してしまったのだ。あれきり拓也からは連絡はない。当たり前だ、と思った。いま目の前にいるこの男が、私と彼との未来を無茶苦茶にしたんだ。
急に黙り込んでしまったかおりに、健志は困ったような顔をしていた。
「あのな、かおり……」
話しだそうとする健志を遮るように、携帯が鳴った。画面をちらっと確認してから
「ちょっとゴメン」
といって健志は席を外した。

車の中でかおりをイカせてからずっと、健志は戸惑っていた。
(俺は一体何をしてるんだ?)
最初は、ただもう一度会いたい、それだけだったのだ。悲しみと絶望を浮かべた表情で自分の腕の中で震えていた姿が忘れられなかった。顔だけ見て帰るつもりで校門の前で待ち伏せていたが、姿を見たとたんに声をかけずにいられなかった。逃げられると思ったのが、おびえながらも車に乗り込んだかおりの様子にブレーキがきかなくなっていた。とりあえず二人きりになれる場所へ行き、またあの震える体を抱き締めたかった。
かおりの甘いあえぎを耳にして、健志の高まりは痛いほどに張りつめていた。力の抜けたかおりの体を抱き締め、髪をなでながらなんとか静めることができたものの、いつ暴発してもおかしくない状態だったのだ。
(俺は、かおりをどうしたいんだ?)
もうすでにさんざんオモチャにした体なのに、なぜだかぞんざいに扱ってはいけないように感じられた。一生癒えないかもしれない傷を心に負わせたのだと思うと、胸が痛い。
やっといくらか話をしてくれるようになったのに、うっかりあの日のことに触れてしまった途端、また心が閉ざされてしまった。なんとか話をしようとした途端に携帯が鳴ったのだ。とりあえず間繋ぎにはなるか……健志は正直なところ少しほっとしていた。
「あ、陸さん。どうしたんすか?」
「今どこにいる?今夜ちょっと作戦会議開きたいんだけど。取込み中か?」
「あ、いえ。夜だったら大丈夫ですよ」
(そう。かおりを一晩中抱いているなんてことができるはずもない)
「だったら8時に美咲の部屋へ来てくれ。あ、7時だ。健ちゃんにはちょっと別件の話もあるから」
「別件?なんすかそれ」
「会ったときに話すよ。じゃな」

時計を見ると3時だった。かおりを家まで送ってから美咲のマンションへ行くとなれば、あと2時間くらいしか余裕はない。

席に戻るとデザートが運ばれてきていたが、かおりは手を付けずに待っていた。
「先に食べててもよかったのに」
「でも……」
「いいから早く食べて」
それから二人とも無言でデザートを食べ終えた。
食後のコーヒーもそこそこに再び車に乗り込むと、健志は一言もしゃべらずに車を走らせた。
(どこへ向かってるんだろう……)
不安になったかおりが健志の横顔を見つめている。
(何考えてるんだろう、私ったら。今までだって向こうが勝手に私のことを連れ回して勝手に私を弄んでるだけじゃない。今さら不安がるなんて……)
車は街に戻ると、とあるマンションの駐車場に入った。健志は車を降り、助手席から強引にかおりを引っ張り出すと腕をつかんで歩き出した。三階の角部屋の前で立ち止まると、鍵を開け、中へひっぱりこむ。


「瓦礫のジェネレーション」の最初へ 「瓦礫のジェネレーション」 27 「瓦礫のジェネレーション」 29 「瓦礫のジェネレーション」の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前