戸惑いの日々-1
あの日教室で起きたこと
―９ヵ月の軌跡― ②
「戸惑いの日々」
―――７月
先生とのキスから１ヵ月が経った。
あの日の放課後―――この教室で…
先生の唇が、私の唇にかぶさり―――何度も何度も違う方向から、私の唇を塞いだ…
抵抗する私の体を壁に押さえつけ、強引に割り込んできた、先生の冷たい舌の感触…
教壇に立つ先生の姿を目で追いながら―――私はあの日のキスを思い出していた…
♯♯♯
―――なぜだろう？
あの日以来…先生は私を避けるようになった。
始めは気のせいかと思ったけど―――それは気のせいなんかじゃなかった。
授業中はもちろんだけど、ひとけのない廊下ですれ違った時でさえ、先生のそっけない態度は変わらなかった。
あの日…あんなに優しかった先生が、なぜ急に変わってしまったの？
もう１ヵ月―――そんな状態が続いてた。
先生のそんな態度に―――私は毎日戸惑っている。
あの日のキスがなければ、先生の存在は今でも変わらず先生のまま―――きっと、それ以上でもそれ以下でもなかったはず。
それなのに―――先生はあの時、私の唇を強引に奪って、心までも一緒に奪って…
そしてまた、何ごともなかったように、元の先生に戻ってしまった。