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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第四話「暴きタイッ!?」-11

**

「おう、お疲れさん。これやるわ」

 洗濯物を片付けると同時にポツリポツリと雨が降ってきた。
 それは瞬く暇もなく本降りとなり、紀夫と理恵は校舎へと避難する。
 そのついでに保健室にシーツを届けると、笑顔の裕子が飴玉の包みをいくつかくれ
た。
 彼女からしたら紀夫たちはまだまだ子供。とはいえ飴玉でご機嫌取りをされると思
うとどこかプライドに傷がつく。

「ありがとうございます」

 とはいえ弱みを握られている紀夫は言い返すことなどできず、そのうちの一つを理
恵にわたし、自分も一つ食べる。

「ん? あれ、その子は?」
「え? ああ、陸上部員ですよ。ただの……」

 「ただの」という言葉のあと、左足のふくらはぎに鈍い痛みがやってくる。振り返
るとりえがそっぽを向いているが、ここでも紀夫は言葉を間違えたらしい。

「その、帰ります……」
「ん、そのうちまた頼むよ」

 裕子は笑顔のまま手を振るので、紀夫たちも頭を下げて部屋をでた。

「ふーん」

 しかし、裕子の姿が見えなくなった途端、理恵はつまらなそうに鼻をならす。

「なに、理恵さん……」
「理恵って、ノリチンにとってただの部員なんだ……」
「いや、そういうわけじゃなくて……」

 紀夫が理恵を「ただの」といったのは理由がある。それは裕子にこれ以上勘ぐられ
ないため。そもそも飴玉の包みと思っていたいくつかは例のゴムの残り。下の話にも
敏感そうな裕子の入らぬ気遣いが紀夫に過剰な反応をさせたのだ。

「しーらない。ノリチンなんて勝手にすれば?」
「え、ちょっと理恵さん……」

 情けなく追いすがろうとする紀夫だが、その気配に気付いた理恵は陸上で鍛えた脚
を活かしてそそくさと走り去る。
 それは運動と縁遠い紀夫にはけして埋められない距離だった。

**――**

 部の用具を片付ける頃には雨も上がっていた。
 本来なら部員全員で行うはずの、雨にかこつけて逃げ去った部員達が多く、結局
残っていた紀夫と稔、それに優と愛理の三人で片付けることとなった。

「ふう、皆おつかれさま。もう、他の子には明日きつく言っておくからね」

 困った様子で言う愛理だが、きっと彼女にそんなことは出来ないだろう。そもそも
怒ったところで迫力がついてこない。

「それじゃあ僕らはこれで……」

 稔は優に「どこかいく?」と放課後の予定を聞いているが、どうやらかなりの仲な
のかもしれない。

 ――なんで稔君は? 変なの……。

「やっぱり羨ましい? 紀夫君は彼女さんとかいるの?」

 一人首を傾げて稔達を見送っていると、その様子を勘違いした愛理が能天気なこと
を言い始める。


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