DOLLHOUSE〜虚ろな姫君〜-5
その夜ご主人さまは私を何度も突いた。
大声をあげても誰も助けに来ない。やめてくれない。
泣いて泣いて、しゃくりあげはじめると止まらなくなった。
「ひっ… ひっくひっ… ひっっ…」
腹が引きつったように動いて息も吸えない。自分の意志で呼吸できない。
「すげえ。尋常じゃネエ… もっとしゃくりあげな。 うくっ」
「はっ。 ひっく… ひっひっひっ… ゃ。 もう ひくっ やあぁ…」
痛みに耐えられなかった。
声は早々に嗄れた。暴れる体力もなくなった。
二人の息づかいが響く部屋。
私はただただ朝を待った。
なにもできなかった。眠ることすら。痛みと目に映る揺れる天井が記憶にきざまれてゆく。
ヌルつく精液と血がご主人さまを私の中で動きやすくしていた。
が、痛みがなくなることはない。
ご主人さまのアソコは私に突き刺さったままだ。激しく突かれては止まり、しばらくするとまた突かれる。それの繰り返し。
明け方、うっすら空が明るくなった頃、ご主人さまは私の中から抜き、湿ったベッドから出ていった。
疲れ切った私はすぐに眠りに堕ちていった。
私はカエルのように足を開いたままベッドに寝ていた。
ご主人さまを受け入れた形そのままに。
脚を閉じることが出来なくなっていた。
脚が強ばって無理に閉じようとしたら痛みが走った。
これじゃあ歩くことさえままならない。
明るい部屋で脚を開いたまま私は泣いた。
声はかすれたままだった。
誰も来なかった。
一人だった。
泣きやんだころ、ユリさんが入ってきた。
身体の上には毛布が掛かっていたが、下着も付けないままの私。
脚を閉じようとしたが、やっぱり痛い。
「いいのよ。大丈夫」
ユリさんが優しく言った。
その言葉だけで涙があふれてしまう。
うれしいのか、哀しいのかわからない。泣かないようにしよう。そう思っているのに。
私は歯を食いしばってなんとか脚を閉じた。
ユリさんは私を抱えてお風呂に連れて行ってくれた。
もう、まともに歩くことも出来ない、ドロドロに汚れた私を。
少しの振動で痛みが走る。ユリさんに申し訳なくて口を結んで我慢した。
脚の強ばりはお風呂に浸かっていると少しとれた。痛みがなくなったわけではないけど。
髪の毛はガチガチにかたまり始めていた。
ユリさんはシャワーを当てて、少しずつ落していった。