DOLLHOUSE〜虚ろな姫君〜-1
私は買い物に行かされた。
理由は分かってる。私をアパートから追い出したかったからだ。
別に私だってあんな部屋にいたくない。ここより他に居場所がないだけだ。
寒い道。田舎の夜は早くて暗い。
コンビニまで往復で1時間はかかる。
買ってこいと言われたのはチョコレート。もう9時過ぎたのに。
「うるさいわね、どんなのでもいいわよ!チョコレートよ、ち・よ・こ・れーと!」
口実でしかない買い物に、詳細をたずねるのはあきらめた。
車が来る。
私は路肩に避けた。
なぜか車は私の横でとまり、ドアが開いた。
ドアから手が伸び、私は車の中に引き込まれた。
口も目もふさがれ、あっというまに身動きが出来ないように縛られた。
そして、車が動き出した。
もう、嫌だ。
いっそ、このまま私なんか殺してくれればいいのに。
そう思った。
何時間そうしていたんだろう。車が止まり私は目隠しをされたままおろされた。
抱えられてどこかに運ばれていく。
ぎいぃぃぃ。
古そうな扉の開く音。
私たちが入ると、また音を立てて閉った。
静寂の中、私を縛っていたモノを解かれた。
天井は高く、洋風の造り。シャンデリア。
日本じゃないみたいだった。そんな筈はないけど。
目隠しやヒモを解いたのは女の人。
紺色の洋服に白いフリルのエプロン。
これまた物語のお嬢様の家で家事をするメイドさんみたいな。
心配そうな顔で私を見ていた。
「なんだよ、子供じゃんか」
若い男が私を見て言った。
「オマエのだ。好きなようにしていいぞ」
若い男の隣に立つおじさんがそういった。
若い男の方の手が伸びて、私の腕を乱暴に引いた。
「いやだっ。やっ」
「うるせえな」
若い男は私の襟元を掴むと服を剥いた。
どうしようもなかった。あっというまだった。
はじけたボタンがバラバラと飛び散った。
つき転がされパンツまではぎ取られた。