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黒魔術師の恋愛事情
【青春 恋愛小説】

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黒魔術師の恋愛事情〜因縁-7

「何だったんだ?あれは…」
 光輝の呆然としていた。弱そうで、ハイテンションで、食い意地張ってて、それで強くて…そんな悪魔と真彦がめっちゃ仲よしで。改めて真彦が分らなくなった。
「お兄ちゃん、今のは?」
 何とか今の超特急な展開から立ち直った小春が尋ねると、真彦は笑いながら答える。
「俺、あいつ…ムーンライトと契約してるんだ。ほら、黒まじゅ…魔法に目覚めた時から」
 麻里をちらっとみて、真彦は言い換えた。
「なかなか凄かったろ?あいつの力は」
「いや、いろんな意味ですげーよ、あいつは」
 光輝はそう言うが、力とか以前の問題だろ、そとしか思えなかった。
「まぁ力は強いんだけど、あいつかなりの甘い物好きでさぁ。特にケーキ、チョコなんかいっつもねだってくるんだ。まぁ魂喰われるよりマシだけどね」
「そうか…ところで、もう一箱のこっちは何だ?」
「あぁ、それは俺達用だ。…ってそうだ、小春!お前何でここに来たんだ、危ないだろ?」
「え?突然そんな…それはお兄ちゃんが心配だったから…」
「お前…もうちょっと俺を信用しろよ」
「そんなこと言ったって心配になるわよ!いきなり家に光輝先輩が来て、『ケーキ持ってこいって言われたんだけどどれ?』なんて叫ばれたら何かと思うわよ!!」
「あー…それは心配よね…」
 麻里もそれに同意している。
「…まぁいいや。それより麻里、体の具合いは大丈夫か?」
「うん。ちょっと怠いけど…何の問題も無いと思うわ」
「…よかったー」
 真彦は呟くように安堵の声をあげた。
「ごめんな、危ないことに巻き込んじまって…。もうこんな目にはあわせないから」
「大丈夫よ。ちょっと怖かったけど…真彦君が守ってくれるんでしょ?」
「当たり前だ」
 真彦はしっかりとした声でそう言った。
「彼女は大切にな?『まさっち』」
「ぶっ!!光輝!お前がその呼びかたで呼ぶな、気色悪いぞ!」
「あんなのと契約してるお前が悪い!」
「あんなのって…そんなこと言ってると、お前の分のケーキもムーンに食わせるぞ?」
「すいません」
 光輝が即効で謝ったのが可笑しくて、麻里や小春も笑いだした。
「さぁ、帰って皆でケーキ食おうぜ?」
『賛成〜』

 四人は会話の中で平和が訪れたことを感じていた。
 放心状態の智博を『完璧』に忘れて…。


 余談ではあるが、真彦は最後に智博に黒魔術を掛けていた。智博の額に手をかざしたあれだ。あれは何かというと…智博が真彦に近づくと悪夢を見るというものだった。結局、同じ町にいる限りもの凄い悪夢を見続けた智博は、町を離れるしかなくなるというわけでした。


END


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