投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

なにげない一日
【その他 その他小説】

なにげない一日の最初へ なにげない一日 6 なにげない一日 8 なにげない一日の最後へ

なにげない一日-7

 好きな映画を観ても、気を落ち着かせることは叶わなかった。
 無理もない、今日の一戦で全ての決着がつくのだから。
 約束の時間にシンヤは現れた。あの、伝説のキューを手に。
 「待たせたな。行こうか」
 彼の顔には、確固たる覚悟があった。この勝負、どうなろうと悔やむことはないという、覚悟が。
 「まさか、お前とこんな形で戦うことになるとは思わなかったよ、シンヤ」
 「俺もだよ。お前とは、もっと……」
 ビリヤードテーブルについて、俺たちは最後にもう一度睨みあった。
 この勝負に負けたほうは、この場で自ら命を断つ。その決意を、再度シンパシーとして感じあいながら。
 「……また、お前とグラタン食べたかったよ」
 「……お前にも、俺のおすすめのパスタ、食わせてやりたかったぜ」
 そうして、俺たちの最後の会話は終わった。
 キューが構えられ、撞かれた白玉は、俺たちの友情、未来、果ては命を象徴するように、テーブルの上を慣性に翻弄され、漂い始めるのだった。


なにげない一日の最初へ なにげない一日 6 なにげない一日 8 なにげない一日の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前