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放課後のY先生
【教師 官能小説】

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Y先生の乙女な不安-2

***


「じゃあ教科書の62ページ…竹田君が来てないね、B組の人、何か知ってる?」

「竹田君は死にましたー。」

「下ネタがひど過ぎて自滅しました〜。」

答えになっていない答えを口にしてげらげら笑っている男子生徒達を怒る気にもならず、簡易的な出席簿に「欠席」と小さく記した。

期末試験前に行った小テストで成績の悪かった生徒は、全員それぞれの教科の補習を受けることになっている。

私も、担当している教科である世界史の補習をしているわけだけれど…。

「せんせ〜、わかりませーん。」

「どこが分からないの?」

「こいつの髪型の意味が分かりません。」

一人の生徒が、世界史の教科書に載っている顔写真を指差して笑った。

「その時代には一般的だったのよ。」

私が答えると、彼は手を叩いて更に大袈裟に笑った。

「先生真面目ぇ、かっわいい。」

からかわれたのだと分かり、顔には出さないが少しむっとしてしまう。

「ほら、ちゃんと集中して。」

「ほーい。」

私が担当している学年で補習が必要と判断された生徒は22人。

しかし、補習に出席している生徒は毎回10人いるかいないかだ。

出席している生徒も、真面目に課題に取り組むことはほとんど無く、揚げ足を取ったりふざけてばかりいる。

私はまだ笑っている生徒を牽制するように見て、黒板の前に戻った。

そして、無意識に視線が向いてしまう場所---窓際の一番後ろの席をそっと見た。

彼は、ぼんやりと外を眺めながら、長い指でボールペンをくるくると回している。

私が見ていることに気付いたのか、彼の視線が私に移行した。


目線が、絡む。


その瞬間、私の心の中心が、自分でも驚く程ぎゅっとなった。

その全てを見透かすように、ハルはふっ、と笑った。


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