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【純愛 恋愛小説】

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「…掛け替えの無い存在 そんな安い言葉じゃ表せない音色 掛け値無し その色は茜色 とも紅ともつかぬ深い溝 を埋める杭 決して抜けぬように 悔いを残さず拭い切れぬ気持ちを吐露 今強くその手を取ろう 茜雲を背に“またね”と振る手を 紅音 あなたが大好きです……………」

「…………」



ラップは終わり、トラックもゆっくりフェードアウトしていく。



しかし…最後のアレは……聞き間違い?



「あ…あの、紅音ちゃん、どうかな…?」

「えっ!?あ…えーっとね…うん……いいんじゃないかな…」

「聴き手には伝わるかな…?」

「あ………少なくとも、私には届いたよ…」

「そっか…よかった…」

「ねぇ、龍斗…その…最後のは…本気なの?」

「…俺は嘘のリリックは書かないよ…」

「じゃあ…」

「紅音ちゃん、大好きです。付き合ってください…」

「龍斗…」



嘘みたい…。
まさか龍斗に…告白されるなんて…。



「ダメ…ですかね…」

「あ…、ううん。私も、龍斗のこと大好きだから……よろしくね…」

「あ………よかったぁ…」

「でも…遅い!」

「へっ!?」

「どんだけ私が待ってたことか!」

「えっ!?」

「私はずっと龍斗のこと好きだったのに…」

「えっ……でも高校ん時とか、紅音ちゃん彼氏いたじゃん…」

「あれは龍斗に彼女がいたから!」

「……えーっ…。でも俺こそ紅音ちゃんに良い感じの人がいるって聞いたから諦めて…」

「あんなのただの噂だったのに!バカッ!」

「えーっ………」

「……お互い、タイミング悪かったんだね…」

「うん…」

「でもやっと…ね」

「うん…」



そっと、優しいキス。
どれだけ待ち望んだのか…。

義斗さんがくれたっていうお香も、さらに心地良い…。


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