春告鳥 2-6
好きだったけど、彼女たちは僕から離れた。
好きだったけど。
美里さんを好きな気持ちとは少し違う気がする。
似て非なるモノ。乾いた喉に流れ込む甘美なる水のようだ。こんなに心も身体も欲しがったことはない。
「知りたくない、というのは嘘になりますけど言いたくないなら別に知ろうとは思いません」
「じゃあ、まあ、無理に秘密にはしません。話が出たら出たで。
その方が僕もニュートラルになれるし」
隠そうとする気持ち自体が弱点になる。きっと僕らを弱くする。
だから、これでいい。
頬にキス。
「愛してる…」
「私も…」
何度もくちづけて。
舌を絡めて。
吐息が甘い。やめられない。
「んふっ…」
息苦しくなったのか、彼女が顔を背けた。
頬に軽くキスをして僕は身体を起こした。
黒く鬱血した手首はやっぱり痛そうだけど、白い肌はほんのりと上気していて色っぽい。
鎖骨の下と、乳房に僕のつけた赤いキスの跡。
そっと撫でる。
「ん…」
ふっくらと盛り上がった胸は柔らかく、そして既に硬く尖っている。
決してグラマラス、というわけではなかったけど、僕の本能を引き出し、理性を奥底に追いやってしまう。
力を込めたら壊れてしまいそうな華奢な身体が僕を満たしてくれる。
「あ…ん…」
触れると緩慢に身体を捩らせ、僕を誘う。
吸い付くような肌の感触がいい。
女性特有の腹の丸み。細いウエストに張り出した腰。なにもかもが愛おしい。
淡い翳り。開かれた身体は既に僕を受け入れてくれている。
しどけない姿。
「ね、あまり見ないで。恥ずかしいの…」
真っ赤な顔をした美里さん。
可愛い。
「あぁぁっ…」
彼女の白い脚を押し上げ、前傾して深く潜り込む。
彼女は首を反らして息を吐いた。