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心霊ファイル…怨み
【ホラー その他小説】

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心霊ファイル…怨み5-1

 どんよりした重苦しい空気が、辺りを包み込んでいる。

 杏里も私も、今まで幾つかの霊的修羅場を見て来たけれど…

 今回ほど、強烈な雰囲気を味わった事は一度もない。

 杏里が相手にしているのは、やはり人の霊だ。

 だけど…

 今までの死霊とは、怖さのレベルが違う。

 この世に未練を残し…

 1つの家族に強い怨念を抱き続けて…

 ずっと、脅かし続けている男の霊だ。

 かなり手強そうだし…

 怨みの念も相当、深いようだ。

 仁美さんの体に憑依している霊と、杏里の睨み合いは続いていた。

 真澄さんやルリ子さん、友里恵姉さんはリビングで待機しているけど…

 私と歩美さんは杏里の指示で、2人のいる部屋の外で待機していた。

 デジカメでしっかりと撮影する私。

 今回も勿論、ファイルは作成する予定で、昨日から準備に入っている。

 かなりの力作に気合いが入る私だけど…

 例の不安は消えないでいた。

 いったい、何が起きるのだろう?

 何だか、不吉な予感…

 杏里の身に、何も起きなきゃイイけど…


「お互い様だろう?」

 戸村弦太郎と名乗る男の霊に杏里は質問する。

「お互い様ってどう言う事?」

「アイツらは、俺たちを皆殺ししたんだ!
 オレたちより、罪は重いハズだぜ」

「だからと言って…
 生きた人間たちに憑依して、悪さをしてイイと思ってんの?」

「勘違いするな。オレたちは怨みを晴らしているのだ。女や子供を含む戸村一族の恨みをな。
 良い悪いとかは関係ねえ! 邪魔をするな!」

「そうは行かない。
 アナタの好き勝手にさせないから!」

 厳しい眼差しの杏里はいきなり、両手を頭の後方へ振り上げてクロス!

 金色の閃光がきらめくと、勢い良く前へと突き出した。

 両手から発せられる強烈で眩い金色の光が仁美さんに向かって浴びせられ始めた。

 杏里の手のひらから発せられる光の凄い事。

 霊的に穢れた一切を浄化する作用を持つ優れものだけど…

 そのメカニズムは全く謎らしい。


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