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敬語の理由
【青春 恋愛小説】

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敬語の理由-1

「なぁ…?」
「何ですか?」
先生は私を腕枕した格好で隣に寝ている。
「どうして敬語なわけ?」
私の髪の毛を弄りながら尋ねてくる。
「…色々です。」
私は先生と目を合わせないように答えた。
「だから色々って何なんだ?」
少し意地になって聞いてくる。
「理由なんてありません…」
冷静さを装って答える。
「ないなら普通に話せよ。」
「何となく嫌ですソレ…」
本当の理由は言えないよ…。
「何となくって何だよ…」
ますます不思議そうに私を見つめてくる。
「そんな事イイじゃいですか。」
ごまかすために私は先生の唇に触れた。
「良くない…」
「キスがですか?」
「…違う…」
もう一度、私は先生に口付けた。
「気にならなくなったでしょう?」
にっこりと私は先生に微笑んだ。
「気にならなくなりました…」
先生の表情は複雑だけれども、それからは聞かなくなった。
敬語の理由が、今だ先生の前じゃ、好き過ぎて緊張するだなんて言えない。
大人の女の人なら余裕なはずだもの。
だから…。
すこしだけ背伸びを許して…先生…。
すぐにイイ女になるから…。待っててね。


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