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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-5

「……おお、なるほど。さすが紀夫殿! 名案でござるな。先生! あたしも参加します」

 早速手を上げる里美は、他の四人の候補を適当に当てはめていた。

**――**

 日吉綾は実力があるが、陸上部の中では浮いた存在でもある。

 それは強化合宿の件について一層浮き彫りとなった。

「そういう集団行動とか苦手なんだよね……」

 前園美奈子の誘いに対し、綾の答えは簡潔であり、その乱暴な言葉遣いに里美は目を丸くしていた。

 陸上部は運動部。つまり体育会系。

 学年的には美奈子の方が一つ上。もともと綾自体口が丁寧なほうではなく、また美奈子が彼女より頭一個半背が小さいせいか違和感がない。

 けれど、ルールはルール。決まりは決まりで、当然それは睨まれる原因になる。

「……日吉ってさあ、生意気じゃない?」

「……うん、そう思う」

「……だよね、やっぱしい」

 練習後の部室ではそんな会話が飛び交っていた。

「……サトミン、あやっちヤバイかもね……」

「……そだね」

 汗を拭きながらこっそり会話するが、飛び火しないことを祈るしかない。

「はあ……アンタたちいいかげんにしなよ」

 陰口大会に水を差したのは意外にも美奈子の一声。むしろ一番怒って良いはずの彼女が何故? と皆言葉を失っている。

「綾が生意気なのはわかるよ。けどあの子はかなり実力あるし、正直ここで止まるべきじゃないと思うの。まあ、それで我侭を許せっていうのは別だけどさ、でも足を引っ張るのはやめてあげてよ」

 十七になって百五十そこそこしかない背丈の美奈子はわき腹に手を着いて胸を張る。

「あ、いや、美奈子がそういうならいんだけどさ。ほら、やっぱケジメってあるじゃん? 他の後輩達が真似しても困るし……」

「あ、その、先輩たちに逆らおうなんてこれっぽっちも……」

 揉み手をする勢いでへりくだる里美に理恵は笑いを堪えつつ彼女に倣う。

「とにかく、陰口とか禁止ね。いい?」

「はーい」

 しぶしぶ返事をするも美奈子の背に向ってベーと舌を出す二年の部員。とはいえ、風紀に一段と厳しい部長が来ても面倒だと、帰りに寄り道する甘味どころへと話題をそらす。

「おじょうちゃま先輩、カッコイイね」

「うん。そだね」

 里美自身、背が低くお尻もオッパイも小さいおじょうちゃま先輩と揶揄される美奈子が、あそこまで吼えるとは思わなかった。


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