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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-22

「なあ、診てくれないか?」

 だからこそ、綾の申し出に即座に首を振っていた……。

「診てっていっても見るんじゃないぞ。恥ずかしいから目隠ししてな……」

 綾はアイスノンを巻いていた長めのタオルを解き、紀夫の頭に巻きつける。

「ちょ、息が出来ない……ってか、これで何を見るのさ?」

「いや、その、匂い? あたしの匂いを嗅いで判断してくれないか?」

「え?」

「や、やっぱ変だよな。忘れてくれ……」

「あ、そうじゃなくて、俺でいいの?」

 どこの匂いを嗅ぐかは示されていないが話の流れからすれば……。

「ん、本当は嫌だ。けど、他の男子に頼めることでもないだろ。ってかお前はマネージャーなんだし、いいかなって思って……」

 マネージャーという立場は男子と女子の中間に位置するのだろうか? それでも信用をしてもらえているのだろうと解釈し、頷くことにする。

「目、隠せよ」

「う、うん」

 タオルで包むといっても布地が粗く、薄ぼんやりとだが綾の輪郭が透けて見える。

「えっと、まずはここ……あ、そうだ。その前に……、ちゃんと言ってくれよ? いい匂いとか誤魔化されても……」

「うん」

 右腕を上げる綾のシルエットに近づきながら、鼻をひくつかせること数回。

 汗が乾いたのか、ツンとする匂いがたち、草むらのような匂いがする。雨上がりの山道の匂いを薄めたというべきか、そこまで良い匂いでも無い。

「どうかな?」

「ん、そうだねえ、汗かな、匂いがするよ。あと、お日様の匂いっていうのかな? ちょっと変かも? でもあんまり強くない。近づかないと分かんないよ」

 本人の希望通り率直に答えると、綾は目線を下げて「やっぱり」と頷く。けれど取り乱す様子もなく、むしろ期待していた答えが聞けたことに安堵しているようにも見える。

「そうか……んじゃ……あ、でも脚を嗅がせるのは悪いな……はは」

 タオルケットからはみ出る脚とくるぶしを隠さない靴下を捲りながら笑う綾。彼女の笑顔を見たことがない紀夫は目隠しをしているのが残念に思えてならない。

「別に、いいよ……。大丈夫。うん。マネージャーだし、それぐらい……」

「そ、そうか? お前って変な趣味あるとかじゃないよな?」

「無いよ。けど、日吉さんの脚って長いし、綺麗でスベスベしてるから……」

「まあな。自慢の脚だし……」

 長身モデル体型の綾の脚は長く、無駄毛一つ無い理想的なモノ。日に焼けているのが惜しいものの、春頃に見た生足は今も覚えている。


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