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……タイッ!?
【学園物 官能小説】

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……タイッ!? 第三話「診察しタイッ!?」-10

「二人でいるのに他の女の話はしないの。マナー違反よ?」

「ご、ごめんなさい……」

「今日のノリチン五十点。まだまだ足りません!」

 理恵に赤点を言い渡される紀夫は自己の引き出しの無さを嘆きながら、振り回される自身の不運を嘆く。

「うう……、あ、ねえ、日吉さんのアレって?」

「まだ言うのかしら?」

 立ち上がる理恵は腰に手を当てて睨みつける。といってもどこかしまりがなく、口の端がニィッと上がっている。

「あ、その……ごめん。何話していいかわからなくって」

「普通にしてればいいじゃん」

「理恵さん、可愛いし……、一緒にいて意識しないなんて無理だよ」

「ん、まあそうかしら。そうね。しょうがないか。ノリチンはまだ童貞捨てたばっかだもんね。むふふう〜。それじゃあこれからも理恵が女を教えてあげるからね」

 腰と頭に手を当てて流し目を送る理恵に三秒ばかり見惚れつつ、少しは言い訳のセンスを身につけたと思う紀夫であった……。

**――**

 その日の補習授業は小テストと称してプリントが配られただけだった。

 予定していた化学の教科担任が急に来られなくなり、出席を取るついでに余っていた去年のテスト問題の処理をさせられたわけだ。

 理恵は他の生徒達同様に出席簿に丸をつけたあと、プリントをもって解散した。

 二人は図書館にいるはず。紀夫も里美もいるし、プリント一枚程度わけない。

 そう思った彼女は廊下を走り、途中注意されつつも図書室へと向った。

 しかし、今日はあいにくの休館日。

 教室や音楽室、視聴覚室と調べるも、どこも鍵がかかっており誰もいない。

 ふと窓の外を見ると見慣れたピンクのジャージと、複数の男女が見えた。

 ――あ、サトミンとノリチンだ。もう部活してるの? がんばるね〜。

 理恵は窓を開けて二人に手を振る。

「ヤッホー、もう練習なのー?」

 しかし、二人は別の女子と話しており、気付く様子が無い。

 そして……。

「ノリチン!」

 二人の間に入った紀夫が思い切りビンタをされ、そのままグラウンドに倒れたところまで見えた。

「で? なんでノリチンがビンタされてるの?」

 理恵は保健室でアイスノンを借りて紀夫の頬を冷やしてあげながら、原因である里美と綾を見る。


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