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紙ヒコーキ
【青春 恋愛小説】

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紙ヒコーキ-3

「っかー!マジかよ〜。今週は毎日これかぁ。まぁしょうがないか。じゃあさくっと終わらせちゃおうぜ、金沢。…金沢?」

「…っへ?あ!ごめん!うん!やろう!うん!今すぐに!」

私が慌てて返事をすると、何故か笑いだす彼。

「え?あたし何か変なコト言った?」

「…っいや、別に?…くくっ」

「そんなに笑うことないじゃんかぁ〜!」

ちょっとだけ拗ねているように見せる。

「ごめんごめん。金沢ってほとんど寝てるところしか見たことなかったからこんなに面白いヤツだとは思わなくて」

「普通だと思うけどなぁ…」

「いや、ホント面白いからっ。さ、プリント片付けちまおーぜ♪」

「うんっ!」


他愛もない会話を交わしながら、二人で少しずつプリントの山を片付けていく。

冗談混じりの彼の話を笑いながら聞いていると、急に、

「金沢さぁ、何で俺のコトくん付けで呼ぶの?」

と私に尋ねてきた。

「え?だって今まで授業の時位しか話したコトなかったし…」

「じゃあこれからは呼び捨てで呼んでよ」

私はクラスの女の子が『樋浦』って呼んでいたのを思い出して、

「『樋浦』って?」

と彼に言うと、

「名前で」

「えっ!?いいの?」

「いいよ。金沢だけ特別な」

そう言って軽くウインクをする彼に、私は真っ赤になってしまう。

「じゃあ、私のコトも廣瀬でいいよ」

と、照れているのがバレないように軽く下を向いて言う。

「俺だけ特別?」

「……うん。特別」

そう笑顔で答えた私。
すると彼は思いがけない台詞を口にした。

「これから1週間の付き合いだしな」


…そっか。特別ってそういう意味かぁ。私って馬鹿だなぁ。ちょっと期待しちゃったよ…。
彼も私のコト想ってくれてるかも…。なんて。


「廣瀬?どうした?」

「…あ!ごめんね。ちょっとボーッとしちゃってたっ」

私はなんでもないかのように、精一杯の笑顔を彼に向けた。

「そうか?じゃあもうちょっと作業進めて今日は終わりにしようか」

「そうだね」



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