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魔法使いの告白
【女性向け 官能小説】

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魔法使いの告白 6-1

私は翌日病院にいった。
孝文に言われるまでもない。
孝文からはやっぱり連絡がこない。
でも、もういい。

私はケイタイから孝文のデータを消した。
孝文がらみの物もかき集めた。
映画のパンフレットを束ねて縛る。
あとはゲームセンターで取ったようなぬいぐるみやオモチャだけだった。
ゴミ袋につっこむ。

どうだっていいものばかり。どうだっていいのは私も同じね。
自己嫌悪。
バカみたい。
どうして、今まで別れられなかったのか。

下腹がいたい。身体がだるい。
私は横になって眠った。





時間の感覚がおかしくなるほど眠っていた。
時折、目が覚めて時計をみるが、今が朝方なのか夕方なのかわからなかった。





1日寝たら楽になった。
今日は食材を買い込んできた。
食欲が出るのはいいことよね。

シロの小屋を見ていたら、あのはにかんだ笑顔を見たくなった。
勝手なものだ。
あの人、待ってますっていったけど。
そんなの真に受けて?
どの面下げて?
おはようございます、とかの挨拶をするだけの人なのに。

ぐるぐると考えあぐねて。
私は戸口にたって、チャイムを押していた。

この時間はまだいるはずよね。
けれども中から反応はなかった。
留守みたい。なおさら、会いたくなる。

階段を下りて犬小屋の前に立つとシロがノビをしながら小屋からでてきた。
頭を、のど元を撫でてやると気持ちよさそうに目を細める。

「ね。あの人どこに行ったか知らない?」

目を覗き込むと、視線を逸らされた。

雫が頬をすべり落ちて自分が泣いているのだと気が付いた。
シロがペロっと涙を舐める。

「ありがとね」

私は袖口で涙をふいて立ち上がる。
そして小屋を離れた。

階段を上る私をシロが見上げている。
私はシロに手をふって自分の部屋に入った。


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