投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

古からの守り
【ファンタジー 官能小説】

古からの守りの最初へ 古からの守り 5 古からの守り 7 古からの守りの最後へ

古よりの守り 2-2

「つまりだ…普通にありのままの自分でレミナと接するだけでよいのだ」
「理由はなんだ?別にこっちとしてはやりやすいから構わないが…少し気になる」

うっすら笑みを浮かべた王は腰を上げて後ろで手を組み、玉座の周りを歩き始めた。

「あの子はあまり人と接した事がない。だから慣れさせようと思ってな…。私にもしもの事があったら私みたいな家族以外の人の事を何も知らないでは生きては行けまい。せめて人との接し方でもと思うのだ」

一息吐き、俺に向き直る。

「護衛の者に頼むのは本当の所どうかと思うのだが…まずウォーミングアップならと思って君を選んだんだ。君の性格なら素の状態であの子に接することが出来ると思ってな。普通に畏まった護衛は恐れてまともに口も聞けまい」

なるほど…。
てか絶対に上官いらんことを喋ったな!!

「理由はこんなところだろう。それとできる事なら護衛もやってほしい。まぁ疲れたら兵士に護衛を頼んで休んで貰って構わない。報酬は働いた分だけの金額と君の望みを聞こう。聞ける物だったらな?」

要するに王座を渡せなど無茶は言うなって事だろう?

「了解」
「あともう一つ」

今度の顔は説明をしていた朗らかな表情じゃなく真剣な面持ちだった。

「…間違いは起こさないよう」
「それはないから安心して貰って構わない」

以上のことを話合い色々な口約を一方的にだか交わした。
自分にとっては苦痛というようなものは無く、むしろ楽なものだ。
疲れたら休んでいいし、護衛もやらなくてもいいらしい。
それと姫であるレミナと普通に過ごすだけで、しかもタメ口でいいとか…。
あまり神経を使わなくていいのが嬉しい。
まるで夢に描いた理想がそのまま現実になったと言っても間違いではない。
俺は最初そう思っていた。
そう最初だけ。





お茶を注ぐように言われたが、もうなかったため部屋を出てしばらく歩いていたらいた通りすがりのメイドにお茶をもってくるように押しつけた。
戻ってる最中、色々なことを考えていた。
王から、つまりレミナの父親からだが…。
人慣れしてないから少しばかり慣れさせろと言われたが果たして本当にそうなのか疑わしい。
何せ城を飛び出して街に出歩いていたし。
それに兵士に対しての喋り口調や態度。
人慣れしてなかったらあんな態度取れないだろうと思うのだが…。
それにしてもやけに広いこの廊下。
流石大国と言いたい。
そして何処から聞こえるピアノの旋律。
それは部屋に戻るほど大きくなっていった。
部屋のドアを開けると広い部屋にベットとティーカップがのった白いテーブル。
そして黒いピアノがどんと真ん中に置かれており、何も置かれてないベランダ。
その他は別に余分なものはなかった。
その黒いピアノに座り鍵盤に視線を落とすレミナ。
髪は綺麗にストレートに伸びていて、鍵盤を見るため左右に顔を振る度にサラサラな髪質を強調させるように舞っていた。
何故か服装は薄い黄色の長袖に短い白のスカート。
それと革のブーツといった町の若い娘みたいなような格好。
本人曰く動きやすいかららしい。
ピアノから聞こえる音は綺麗に部屋中に響き渡っていた。
でもなんだが思いが伝わって来ないこの曲。
それはレミナがなにやら真剣っていうような感じではない無表情な顔で弾いていたからなのかという風に思える。
心ここに在らずと言った感じに…。
曲が終わるとこちらを向く。


古からの守りの最初へ 古からの守り 5 古からの守り 7 古からの守りの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前