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冷たい指・女教師小泉怜香
【痴漢/痴女 官能小説】

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冷たい指・女教師小泉怜香 最終話-1

6限目が終わると、校舎はホッとしたような独特のざわめきに包まれる。

学校という抑圧された空間が、ネクタイをふっと緩めるように寛いだ表情を見せるこの瞬間が私は好きだ。


教師という檻に閉じ込められて、気付かないうちにストレスを蓄積させている私自身も、いつも解放されたいと無意識のうちに願っているのかもしれない。


どのクラスもHRの最中らしく、まだ廊下や中庭にほとんど人気(ひとけ)はなかった。


慌てて後を飛び出してはきたものの、すでに亮の姿は見当たらない。


微かに聞こえる足音を頼りに通用口から外に出ると、グラウンドを斜めに横切ろうとしている亮の後ろ姿が見えた。


いつものゆったりとした歩みとは違う、何かを振り払おうとするような足早なストライド。



「……待って!……」


半分はだけたままの胸元を白衣でなんとか隠しながら、私は慌ててその背中を追った。


土煙が舞い上がる渇いた校庭を、上履きのまま夢中で走っていく。


破かれたストッキングが、走る度に足首に向かって伝線していくのがわかったが、構っていられなかった。


「……待ってったら!」


私の声は聞こえているはずなのに、亮は振り返ろうとしない。


グラウンド脇の陸上部のクラブハウスの前で、ようやく私は彼の腕を捕まえた。


「待ちなさいよ……逃げるの?」

つい責めるような強い口調になってしまう。


「………離せよ」


顔を背けたままぶっきらぼうに答える亮。

やっぱり今日の彼は明らかにおかしい。


「……説明して。なんであんなことしたの?」


本当は愚かなメスの感情が剥き出しになっているのに、それをごまかそうとして高圧的な教師面(づら)が出ているのが自分でもわかった。

しかしそうでもしなければ、私はもっとヒステリックに亮をなじってしまっていただろう。


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