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fantasy ability
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reality ability‐第12話‐“真実”の敵、‥‥ナイトメア・アビス──‐-4

「‥‥刻印を2つ目が覚醒したんだ。身体に負担が掛かっているはずだ。」
「大丈夫よ。私は皇の未来の妻だもん。この程度では弱音は吐けないわ。」

織音は即答だった。その表情は戯けているように思われるだろうが違った。真剣な眼差しが‥真剣な口元が物語っている。
織音は両想いなのは知っている。だが、皇希は付き合えないと言っているが、織音は気にしなかった。皇希の事だ。何かしらの事情があるのだろう。
だから、待っている事しか出来ない織音はただただ悪戯に言う事しかなかったのだろう。

「‥‥済まない。」

これが証拠だ。皇希の表情は前を見ていたので織音には見えなかったが、皇希のその声には罪悪感が少し込められていた。

「いいのよ。私がいけないのだから。」

織音は笑顔とは程遠い微笑みで言った。自分が悪いのだ。自分が皇希を愛さなければこんなにも苦しくなかったから。
もちろん、これが間違っている事か正しい事かも解らない織音。‥‥これには答えがないかもしれないから。

「‥俺はまだ答えが出せない。‥‥全ての“真実”を受け入れる覚悟がない。」

皇希は敵を倒しながら喋っている。余裕なのは一目瞭然だ。敵は皇希を止める術を持ってなかった。

「‥‥ねぇ、“遊天の真命神”って何?」

織音は彼女の‥皇恵の言葉を聞き逃さなかった。織音は皇希の事ならどんなに些細な事でも覚える。
その理由は皇希を愛しているからこそ知りたいのだろう。全てを‥‥真実を隠す皇希の全てを。

「‥‥‥」

皇希は織音の質問に答えなかった。敵を倒しながらどんどん進んでいく。

「“真実の真実”。又は、“真実の真実の真実”の事なのね?‥‥皇の斬り方が変わったから解るよ?」

織音はそう言った。しかし、皇希の斬り方を見ても変わった所がない。だが、織音にはその微弱な変化を感じ取った。

「‥‥“真実”は受け入れた。それを話すのはいい。が、それより奥はまだ言えない。」

皇希はそう言った。これが彼の精一杯なのだろう。織音はフゥと溜め息を吐くと喋る。

「解ったわ。‥その時を待つわ。‥‥ただ、教えて?皇は刻印を何種類持っているの?」

織音の意外な質問に皇希の動きは一瞬止まった。だが、何もなかったように瞬間で回復したように動き出す。
皇希の刻印は【真】だけのはずだ。だが、織音の表情は確信を持っていた。


「‥‥気付いていたのか?俺の更なる“覚醒”に。」

皇希は前進する事を止める事なく、話しながらも確実にハイペースで敵を倒していく。

「私に解らないと思った?‥‥あの後、何処で何をやっていたの?彼女は‥皇恵さんは何者?それと話を逸らさないで?」

織音は感じていた。彼女から伝わる雰囲気は何処か皇希に似ている事。更に“力”まで似ている事。
この2点と皇希の“力”を知っている皇恵は恐らく皇希の“真実”を握っているのだろうと織音は思っていた。
尚且つ、話を逸らす皇希を織音は見事に対応した。こっちの方が凄いと思われる。


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