魔法使いの告白 2-5
「オンナノコがそういってくれたら、やっぱりねー。信じられるでしょ?男は嘘つきだもの」
みかさんが私に微笑む。
私もうれしくなって笑ってしまう。
「ふふふ。相思相愛ですね」
「まいったな」
孝文がチップを3枚置く。
「さっきのディーラーもなんか、堅気に見えなくてカッコイイですよね」
坂井さんの方をみながら孝文が言った。
「ぷ。」
吹き出してしまった。ギャップがありすぎてオカシイ。
「ふふふ、ウチのブトウハですから。彼、あれでもこれ以上ないぐらいカタギの人間なんですけどね」
みかさんも笑う。
やっぱり、ぼさぼさゆるゆるの坂井さんを知ってるんだ。
なんだか2人、とってもお似合いだものね。
恋人なのかな。
私達はみかさんに楽しく遊んでもらった。
帰るときにみかさんがBlueMoonのロゴ入りのカードに2つスタンプを押して孝文に渡した。
孝文はチップを使い切っていたから、私が最後に持っていたチップ分らしい。
「これ、次回使えますからね」
みかさんがドアを開ける。
「ありがとうございました。またぜひご来店下さい」
みかさんはにこやかに笑うと、深々と頭を下げて見送ってくれた。
しばらく歩くと。
「これ、やるよ」
と、さっきもらったカードを渡された。
「200円ぽっちだし」
なんだかその口調がぶっきらぼうで。不機嫌?
私は孝文の腕を組み見上げる。
孝文はやんわりと腕を外すと、私の肩を抱き寄せた。
私をみて微笑む。
よかった。少し安心する。
そして、そのままホテルへ入った。