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Friends
【青春 恋愛小説】

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Friends-7

「わっ…私ですか?」
夕は小説を読んでいた目を菅谷に向け驚いた様子で菅谷を見てそう言った。
「ぅんそうなんだけど…駄目かな?」
「えっ…あの…でも…私でいいんですか?」
夕は俯いて手をモジモジさせている。
「うん全然大丈夫! いやぁ僕らも人数が足りなくて困ってたんだ」
「はぃ…ありがとうございます…」
夕は上目遣いで、ちらっと菅谷を見た。
「じゃあ僕らの班の所に一緒に行こう」
「あっ…はぃ」
夕は席を立ち、菅谷の後に続く。


 学校の帰り道、夕は一人で歩道を歩いていた。
「……はぁ〜」
夕は深いため息をついた。班に入れて貰えたのは良かったんだが、いかんせん夕は人見知りが激しく、結局話し掛けられて「ぅん」とか「ぁ…そうです」ぐらいしか会話が出来なかった。
「…治したいな…この性格」
夕は思い悩んでいた。この引っ込み思案な性格のせいで友達もろくに出来ず、毎日小説を読み耽る日々。
「…これじゃあ…せっかく菅谷君と一緒の班になっても意味が無いじゃない…」
夕は密かに菅谷に恋心を抱いていた。あの中性的な顔立ちも野球部なのにボサボサな髪型をしている所も、全部ひっくるめて夕は菅谷の事が好きなのだ。
「でも…菅谷君は…私みたいな地味な子…嫌いだろうし…」
っと夕がブツブツと呟いているといつのまにか家に辿り着いていた。

ポケットから家の鍵を出しドアを開ける。夕の父親と母親は共に同じ会社で働いているので、帰ってくるのはいつも七時過ぎだ。
「…ただいま」
誰も居ない家に向けて夕は呟く。
夕は廊下をスタスタと歩き自室のドアを開ける。部屋の中は、殺風景で本棚と机とタンスとベットぐらい、しかない、珍しいと言えば、本棚に小説の類がぎっしり詰まっているぐらいだ。
「ふぅ」
夕は制服を脱ぎ、ハイソックスを履き、ロングテイシャツとロングスカートに着替える。制服はハンガーで壁に掛ける。
「…明日の準備しないと…」
押し入れから大きめのバックを取り出し、タンスから洋服を出して、バックの前で座り、洋服をバックに詰める。
 先生の話だと、明日は五時半集合でバスに乗って茨城まで行くらしい茨城だったら、ここからだから三時間くらいかな?と多少ウキウキしてきた夕だったが、下着を選び始めるとウキウキした気分は何処へやら、真剣な顔をして、何やら考え始めている。
 夕はクマの可愛らしいプリントが入っているパンツを両手で広げながら一言…
「…このパンツは…駄目」っと後ろに放り投げる。
クマさんパンツ断念。
 次にウサギがプリントされているパンツを横目で見ながら一言…
「…これも…子供っぽいし…」
ウサギさんパンツ敗北。
「…やっぱり白かな…」
最終的には、白のブラとパンツ勝利。
 …残念…(作者)

「…ぅん…これでいいかな?」
荷物を詰め終わり、夕は一休みにお茶でも飲もうと考え、リビングに行くために立ち上がる。


リビングでソファーに座り、紅茶を飲みながら夕は、菅谷の事を考えている。
入学式のあの時に一目惚れしてから、夕の気持ちは菅谷、一筋だった。
「…そうよね…チャンスだもん…がんばらなくちゃ…」
明日からの修学旅行で少しでも菅谷と仲良くなろうと夕は心に決めた。


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