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春に囀ずる
【女性向け 官能小説】

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囀ずり酔いしれ-1

ほろ酔い加減に浮かれて足元がふわふわする。

愚痴も文句も言って笑いあい、お酒も飲んで、スッキリしたのか、気分は高揚としていて、地上3センチあたりを歩いてるみたいな気分。

だからわからなかったんだ。

「はるつぐだぁ〜…」

鶯がどんな気分だったかなんて、わかるはずもなかった。

「はるつぐ?家はいらないの?」

呂律が舌たらずに甘えてるみたいな声がする。
いつもなら恥ずかしいとか思うんだろうけど、ほろ酔い加減に出来上がった頭はなんにも考えたりしない。

例えば、……合鍵をもってる鶯がわざわざ扉の前で待ってた訳とか。
切羽詰まった顔とか。

考えたりしない。

「紗英さん、やっぱり飲んでた?……楽しかった?」
「うん、飲んだ〜。楽しかったデスヨ〜」
「……………そっか」
「はるつぐ?」

触れるだけのバードキスがたくさん顔に降ってきてくすぐったくて心地いい。
クスクス笑ってきゃっきゃ受け入れて、バードキスが止んだ瞬間鶯に抱きついた。

「すきぃ、だーいすきだよ、はる」

ハルが好きだって気持ちがどんどん溢れてきて普段なら言わないのに言えてしまう。
お酒の力ってすごい。

「……紗英さん、抱いちゃダメ?」
「いいよぉ〜。私もハル欲しーでーす」

抱きついたまま耳元で囁かれた熱い息に、背筋をもうぞくぞくさせながら頬を胸にすり寄せる。

鍵を取り出して玄関を開けると、扉を開けて引き込まれる。

捕まれた腕の温度差が気持ちいい。

ひんやりした鶯の手にぞくぞくっと粟立ちながら、離さないで欲しいなって欲張りに思う。

玄関の扉を背に、ハルの腕に閉じ込められて、キス、キス、キス。

食まれて合わさって水音をたてて、いつか境界線がなくなって溶けるんじゃないかってほどのキス、キス、キス。

服越しにやわやわと、胸の上を触れるか触れないかの焦れったさを保ったまま、触れてくる手が我慢できないくらい欲しい。

「はる…ぅ」

暗がりのなか唇を繋ぐお互いの銀糸がキラリと鈍く光る。
それにドキドキしてたら、ハルがぺろりと唇をなめてぞくぞくしてるうちに銀糸はプツリと切れた。

相変わらずハルの手は決定的な場所をほったらかしに、焦らしてばかりに触れない触れてるの間の感覚で体を這いずり回っている。

なのにお酒で熱くなった体はそれだけで官能の火を燃やしている。

「さわっ…てぇ…」
「……紗英さん、触ってるよ?」

耐えきれずだしたおねだりにダメ出しをして鶯はクスリと笑った。
鶯が笑った拍子に耳にかかる息だけでぞくってする。
…………もぉダメ…


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