想-white&black-③-5
「やっ、やだ……っ」
さっきまでお腹のあたりにあった指がつうっと上に上ってきたかと思うと、震える乳房に手が掛かった。
ぐっと力が込められ楓さんの思うがままに形を変えていく。
「ああっ」
痛いくらいに揉まれて私は悲鳴にも似た声を上げた。
握り潰されるんじゃないかと思い、自由を奪われた身体が竦む。
形を歪められ楓さんの指の跡がうっすらとついている。
優しさなんか欠片もない愛撫にますます悔しさと悲しさを募らせるばかりだった。
その時身体中に瞬間電流のようなものが走った。
「ああ……っ……、んっ」
思わず声を上げてしまう。
「何を嫌がってるか知らないがここは敏感に反応するようだな」
胸の先端をいきなり摘ままれ、軽く引っ張られる。
執拗な程繰り返し施されていた感覚にジンジンと痺れていた。
「やめっ、やだ……っ、ああっ……」
指で摘まんだまま転がしたり弾いてみたり、彼はまるで私の反応を楽しむように責め立ててくる。
涙ながらに抵抗の言葉を口から発していても、それすら自分が楽しむためのスパイスの一つに過ぎないみたいだった。
どれぐらいの時間こうされているのだろう。
楓さんは私を押さえつけながら胸への愛撫をしばらく続けていた。
日にも焼けずにいた白い肌にはうっすらと、だがはっきりと分かる指の跡がつくほどまでに。
乳首は初めピンク色だったが、今は赤くなり張りつめるように固くなっている。
「ん、うっ……」
ピチャ、という湿った音が耳に入った。
それと同時に痺れた胸の先端にヌルッとした感触に背中がゾクリと粟立つ。
片手で胸を揉み続けながら口の中に乳首を含むと今度は舌で転がしていく。
時々ちゅうっと吸い上げられてますます敏感になっていくのを止められない。
「あっ、あぁ、やだやだっ……。やめてぇっ」
男の人に胸を触られ、舐められて鳥肌がたつ。
そして嫌悪感の中に違う感覚が生まれ始めてきている。
だがそんなことを絶対に認めたくはなかった。
認めちゃいけない。
きっと初めての感覚に戸惑っているだけに違いない。