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プラトニックラブ
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プラトニックラブ2-5

「あなた 何なのっ?」

突然の出来事で、ついいつもより早口になってしまう。

少年は悪びれた様子もなく、玄関から部屋を見渡している。

「ちょっと!何見てるのよ」


「あ。悪い悪い。いや、立ち話も何かなって思って」


少年の髪が照明で赤く輝いている。


「ふ、不法侵入よ!」


「その場にいたじゃん」


少年は私の言うことに淡々と返してくる。
少年の目は私の反応を楽しんでいるようにも思える。

「でも、無理矢理じゃない!」

少年は呆れたように笑い、床に座り込み頬杖をついた。

「ね、落ち着いてよ。酔っぱらい」

上目遣いでそう言われ、更に顔が熱くなったのがわかった。


「とにかく…人の部屋に無理矢理入るなんて失礼だわ。貴方のことなんて何も知らないのに…」


「いや、自己紹介しようかと思ってたのに いきなり騒ぐから出来なかったんだよ」


「騒ぐでしょ!いきなりこんなことされたら…」

「あー、わかったわかった。本当ごめんね」



少年は立ち上がり、私の手をつかみ紙袋をもたせた。
死人のように冷たい手が私の手を包み込んだ。


「寒かったんだよね。おねーさんなかなか来なくて…」


少年は私から手を離すと、爽やかな笑顔で言った。

「隣に引越ししてきました 二ノ宮ハルです。宜しく。それ、つまらないものですが貰って」


少年らしい笑顔で挨拶をされ、私も反射的に頭を下げる。

「ありがと…」


「そっちの名前は?」


「桜田…瑠美よ」


「宜しくな、瑠美」


いきなり呼び捨てにされ、顔が更に熱くなった。
少年は私の反応を見ておかしそうに笑った。



―それがハルと私の始まりだった。


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