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イヴの奇跡
【その他 官能小説】

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イヴの奇跡V-9

『ぁ…やっ…?!』
慌てて胸を片手で隠すイヴ。

看板の下の男はひらひらとイヴに手を振ると、両手を合わせて“ご馳走様”のジェスチャーをしてみせた。

いつから見ていたかは分からない…が、彼から合図がある事から、向こうからこちらが見えているのは確かだった。

『っ…あ…だめぇ…圭っ』
神崎に伝えたいにも、快楽が邪魔をする。言葉にしたくても喘ぎ声しか出てこないのだ。

『あっ…アッ…待って…け…ぇ!』

『ダメ。もう待たない。いや、待てない……』
そう言うとより強く腰を打ちつける神崎。

『ンッー!!』
もう言葉にすることは不可能だと思ったイヴはただただ快楽に身を預けることを決める。

『っ…ぁアアア……イ…ちゃうっっっ!』

身体がビクンと跳ねて力が入るイヴ。
真っ白になる意識の中、先程の看板の下を見るともう男は居なくなっていた。


『く…イく…!』
数秒遅れて神崎も絶頂を迎える。グイッとイヴから神崎の物は引き抜かれ、イヴのお尻に白濁の液体が放たれた。

荒い息遣いだけが室内に響き渡り、神崎は自分のオフィスでシてしまったことへの自分の馬鹿さ加減に少し後悔をした。

今までは、めり張りついた付き合いばかりをしてきた。
仕事とプライベートと恋愛は全て別だと思っていたのに…だ。

仕事もプライベートも恋愛もない混ぜになっている自分に少し笑えてきさえもする。


『おいで…体…大丈夫だったか?』

そんな事を考えつつ、息を切らしながら神崎はイヴの身体をティッシュで拭くと自分の方へと引き寄せる。

イヴは神崎の声にくるりと向きを変えて神崎に抱き着く。

『寒いのか?』
抱きしめるとイヴが小さく震えていることに気がつく神崎。

近くに落としたスーツの上着をイヴの背中にかけて震えているイヴを神崎は抱きしめた。

『…圭…聞いて欲しいことがあるの』
真剣な面持ちのイヴに神崎も真剣な表情を見せる。

『昼間の奴か…』
イヴの背中を撫でながら神崎は呟いた。

神崎はなんとなく察していたのだ。此処にイヴを呼び入れたのだって、その話を聞くためだったのである。

『…あの人ね、ナンパしてきて断ったら私に…“せっかく仲間を見つけたのに”って言ったの。多分、私と時間をかけて話をしたい感じだった…』
神崎の胸に顔を埋めたままのイヴ。

『そ…それだけなんだけどね。』

たったさっきまで窓から男にこちらの様子を見られていたことをイヴは神崎に隠した。
今それを神崎に伝えるのはタイミングが良くないと、今は伝えないと決断したのだ。


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