エース-7
「それからよ、お蝶夫人が変わってしまったのは。
それでも私たちは、お蝶夫人の傍を離れなかった。
私達を疑い、虐待することで、ひと時でもお蝶夫人が痛みを忘れるなら良いと思っていたの。そして、いつの日か優しいお蝶夫人に戻ってくれば良いと思っていた。
でも、傍にいられなかったわ・・・・・
一人、また一人と裏切り者として追放されたのよ。」
うつむきながら話していたひろみは、決心したように優子を見つめた。
「ごめんね、優子、心配かけて。 私、一人で行くわ。」
優子の顔色が変わった。
「ダメ! ひろみが行くなら私も行くわ。ひろみの傍にいると決めたのよ。」
「優子、でも・・・・・・」
「いいの。お願い一緒に連れてって。」
優子がひろみの胸に飛び来む。ひろみが優子を抱きしめる。
優子の体が震えていた。膝が触れるとぬるりと滑った。
「優子。こんなに?」
「ごめん。こんな時に・・・・・・」
「ごめんね。気がつかなくて。
すぐに家にいらっしゃい。」
ひろみはタクシーを拾うと、素早く運転手に行き先を告げる。
「運転手さん、急いで、この子病気なの!」
ひろみの腕の中で、優子が小刻みに震え続ける。
優子が脚をゆっくりとすり合わせている。
「我慢できないの?」
優子がコクリと頷いた。ひろみが唇を重ねる。
優子はそれに答えるように、ひろみの背中に腕を回して強く抱きしめた。
くちゅう。
「んん・・・・・・・・・!」
舌が絡みあうと優子は、体をがくがくと揺すりがっくりと力を落とした。
ひろみが優子を抱きしめて体を支える。
「運転手さん、早く!」
ひろみが慌てて、せき立てた。
ひろみのマンションについた。
エレベーターに乗り込むと、優子からひろみを求めた。
くちゅう。くちゅう。
激しく舌が絡まりあう。
部屋へ入っても、飲み物を取りに行こうとするひろみを優子が離さなかった。
優子は、体を震わせ続けて、呼吸も乱れるほどだった。