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fantasy ability
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reality ability‐第11話‐終わりなき絶望、始まりなき希望‥‥‐-4

‐冥界、凱影城の門前の“タナトス”‐

あれから2時間経った。時間は時々早く感じる事がある。それだけに貴重な存在なんだろう。

「‥‥流石に疲れたな。‥‥」

皇希はそう言った。しかし、呼吸の乱れや行動力の衰えは感じられなかった。

「‥‥はぁ、はぁ。‥‥テメェ、本気で言っているのか?‥‥はぁはぁ。」

誠慈が睨み付ける。既に呼吸が途切れ途切れになっていた。

「‥‥ふぅ。使う予定はなかったけど仕方ない。‥‥森羅万象よ。‥‥自然の流れよ。‥‥Finality・Act!‥‥全てを破壊する力、Over・Zero!!」

皇希の両手に光り輝く珠が出来る。皇希はそれを併せる。すると、“それ”はより一層激しい輝きを魅せる。
皇希は“それ”を両手で丸く囲むように手を動かす。囲むと魔方陣が浮かび上がった。そして、天に掲げるように上に持ち上げる。
更に皇希を中心に巨大な魔方陣が辺りに広がっていく。前に統神 皇希が展開させた魔方陣のと比べられない程の範囲だった。
皇希は確認すると“それ”を下に‥‥‥落とした。落ちた瞬間、大地は裂けマグマが敵を襲い掛かった。それだけならなんて事もないが‥‥違う。
風が吹き荒れ、雷(いかずち)が鳴り始め、雨ではなく雹が降る。正に天変地異そのものだった。特に驚くのは6人には当たらなかった。
“それ”はまるで意思を持つように味方を識別していた。邪神は為す術がなかった。ただ“それ”をその身で味わうだけだった。
皇希の口元に一筋の血が流れる。‥‥皇希の“力”でも反動が重かった。皇希は直ぐに血を拭いた。周りに気が付かれなかった。
流石はというべきか、その血を見た織音は違和感を感じた。‥‥‥その違和感はこの時では解らなかった。数十時間後、解ったが‥‥‥

「‥‥‥」

誠慈が皇希を睨み付ける。目が物語っていた。‘何故、使わなかった?’と。

「‥‥隠す必要がなくなったからだ。」

皇希はこう言った後、城門の前に立つ。敵は一掃された。今回も余裕だと思われたが、そんな事は意外となかった。
新たな邪神が後方から現れたのだ。‥‥伏兵という戦法だ。先頭にいる2つの影が少なくとも先導者だろう。
もちろん、2つの影の正体は黒神 闇と佐神 陰司(おんし)だ。2人とも死に物狂いの目で突っ込んでくる。

「‥っーはっは!死ね!死ねぇ!!」
「‥コロス。‥コロス!‥‥コロシてやる!」

‥‥‥2人とも、禁断詠唱である心身詠唱を唱えたようだ。身体にはあの紋様が刻まれている。性格の変化もある。
しかし、皇希は気にもせずに門を開けようとする。だが、門は開く事がなかった。力と魔法で封じられていた。

「クックックッ!そう簡単に開くと思ったのか!?‥‥その門には2人の生命力が鍵になっている!開けたかったら倒すがよい!」

カオスが言う。その表情は見えないが極悪非情に思えた。

「‥‥仕方ない。4割の力で終わらす。」

皇希は5人の前に立つと構える。軽く空気を吸い込み。そして、吐く。

「‥‥極武、翔燐波(しょうりんは)。」

皇希の前方に衝撃的な風が吹き荒れる。後方の5人には風だけが吹く。これはあの“技”の強化版というべきだろう。
黒神と佐神以外の邪神が次々とその風で倒されていく。流石はというべきか、2人とも無傷だった。


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