投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

ネコ系女
【その他 恋愛小説】

ネコ系女の最初へ ネコ系女 16 ネコ系女 18 ネコ系女の最後へ

ネコ系女 #3-4

「で、何しにきたの?」

自分でも驚く程冷たい声だった。
お客様にこんな態度を取るのは販売員失格だけど、どうせタマは客じゃない。

「ケーキ、買い来た」

ケーキ屋さんだからね〜。とタマは笑う。

「俺、九時から店の前で待ってたんだけど、ここ十時からだったんだぁ。一時間も待ってたよ〜」

相変わらず口は閉じることはなく、ショーケース内のケーキを眺めている。

「ノエルも一緒なんだ。ほら」

タマは顔を上げて外を指差す。そこにはどうやらリードで繋がれた小動物らしきもの。
姫代は嬉しそうに駆け寄って窓越しに構っている。
ていうか名前、ノエルに決定なんだ。

「フルーツタルトとシュークリーム一個ずつください」

「…かしこまりました」

私はわざとらしくため息を吐くと、熱湯に浸けてあるトングを持った。
軽く水気を拭いて、ケーキを崩さないよう掴むと、丁度良い大きさの箱に入れていく。
掛け紙をして光沢のある細いリボンで結ぶ。
小さい袋に入れて、タマに差し出した。

「五二〇円」

「はーい。はい、丁度!」

「どうも」

レジスタに値段を打ち込んで、お金をしまう。

「お帰りはあちらでございます。ありがとうございました」


【ネコ系女は投げやり】


「あっはい、どーも。…はっ、ぇあ、あの、ケーキ屋さんに言わなきゃいけないことあるんだ!」

タマは私の言葉に誘導され自動ドアに向かって歩いていったが、ハッとして振り向き、また私の所に戻ってきた。
ほう。
やっぱり。ケーキを買いに来た訳じゃないことぐらい分かってた。そんなものは建前だ。


【ネコ系女は疑り深い】


言わなきゃいけないことって何だっつーのよ。

「何?」

「あのさ…」

タマは言い掛けて、口ごもる。とても言いづらいことのようだ。

「あの、その…」

何?早くしてよ。タラタラするのは好きじゃない。


【ネコ系女はセッカチ】


ネコ系女の最初へ ネコ系女 16 ネコ系女 18 ネコ系女の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前