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コンビニ草紙
【理想の恋愛 恋愛小説】

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コンビニ草紙 第四話-1

第四話;藤本書店、其ノ一。
第1回目のコラムの評判が良く、予定通り連載する事になった。
『身近にいるイケメン』というところがうけたみたいだ。
第1回目のコラムに出てもらった服部さんから、おかげ様で雑誌を読んで似顔絵を書いてもらいに来たというお客さんが増えてきているという内容のメールを頂いた。
第2回目予定のカフェの取材を済ませ、今日はいよいよ藤本書店への取材へ行く予定になっている。

「リョーコ!コラムの評判、上々な感じだよ。やったね!」
サヤカが満面の笑みで出たばかりのGalaのコラムページを私のデスクに置いた。

「そうみたいだね。しっかりバックアップさせていただきます、企画長。」
「あはは、ありがと。今日は午後からリョーコお待ちかねの藤本書店だね。」
「何よ、お待ちかねって。別にそんなつもりじゃ…」
「そうねー、今日は何かメイク薄い感じがするし。本命はもしかして本間さん?
本間さんの取材の時の方がバッチリって感じだったかも。」
「違うわよ。公私混同は誰かさんと違ってしないんです。」

確かに今日はいつもよりナチュラルな感じにしてきたかもしれない。
コンビニでほぼスッピンで会っているから、バッチリメイクで別人みたいですね、なんて言われたくないから。

「二時に藤本書店の予定だからお昼食べたらすぐ出る感じでよろしくー。」
「了解。」

軽くお昼を済ませて、カメラマンの大久保君と合流し、藤本書店に向かう。
藤本書店は色々な書店が並ぶ大通りの路地を曲がったところにひっそりとあった。
お店の引き戸を開けると、ドアベルがチリンと音をたてた。

「何か、昭和にタイムスリップって感じね。」
サヤカが小声で話しかけてくる。
確かに。
でも彼自身がタイムスリップしているような人だから、今更驚きはしないけど。
店内を見回すと色んなジャンルの古書が置かれている。
文庫、新書に限らず、映画関連、音楽、かなり古い写真集などもある。

「こんにちわー。二時に取材をお願いしてます、ハクジ社の美崎です。」
サヤカが少しトーンを上げて店の奥に聞こえるように挨拶をした。
店の奥にある襖の方からガタガタと音がする。
二階から人が降りてくるようだ。
しばらくすると、襖がすーっと開いた。
そこには彼が立っていた。
今日は濃い灰色の縦縞の入った水色っぽい着物だ。
相変らず髪の毛はボサボサで肌は白い。

「あ、どーも。お待ちしてましたー。店長の藤本です。」
襖から続いている四畳半ほどで一段あがった畳の台のような場所に正座して軽く会釈をした。
サヤカが目を丸くして彼をまじまじ見ているのが分かる。
確かに初めて見た人は驚くかもしれない。
座っている彼は何だか落語家みたいにも見える。

「こんにちわ。ハクジ社の坂本です。こちらはカメラマンの大久保です。お忙しい中失礼しますが、少しだけご協力お願いします。」
「へぇ。見ての通り全然忙しくないんで、どうぞおあがりください。
狭くて汚いですけど。」
そう言うと、襖の奥のにある階段から二階に上がるように促された。
どうやら一階がお店で二階で生活しているようだった。


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