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僕らの関係 プロローグ きっかけ
【学園物 官能小説】

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僕らの関係 最終話 いつも隣に……。-2

 ――クリスマスプレゼント、何が良い?

 二人がいなくなるも、教室にはまだ生徒がちらほら残っている。密談をするなら筆談のほうが都合も良い。

 ――大きなまな板。

 ペンをわたされた幸太は、適当に思いついたものを書くが、由香は笑いながら、それに破線を引く。

 ――もっといいの無い?

 ――研ぎ石かな?

 ――真面目に答えてよ。

 ――だって便利だよ。

 ――例えばさ……。

 走るペンは人形を描き、頭には大きなリボンが添えられる。次いで、隣に栗頭の人形を書かれ、その股間の辺りに卑猥な棒を書かれたとき、幸太も思い当たった。

 ――あった。欲しいの。

 ――何?

 ――由香ちゃん。

 幸太は彼女にペンをわたすと、そのまま手を取った。

「クリスマス、二人で過ごそうか?」

「うん」

 二人は見つめあい、視界の端に誰もいないのを確認してから、軽くキスをした。

***―――***

 最近はしていない。
 だからする。
 一人で。

 あの日のペッティング以降、由香は彼を避けていた。
 もし次に咥えたら、そのまま股を開いてしまいそうで怖かったから。
 幸太の背後に何かの影を感じるも、まだ幼さを残す表情からはそれが想像できない。
 しかし、快楽にいたる方法を実践した身体は、暇さえあれば指でもペンでも幸太に見立てて女の部分を刺激してしまう。

 ――こんなことなら、あの日されちゃえば良かった。

 太いマジックペンをゴムにつつみ、秘裂に入れる。冷たく角ばったそれは幸太を感じさせず、反射としての乏しい快感をくれるだけだ。
 ぬちゅりと音がするたびに息を荒げ、背筋を走る電気に虚しさを感じる。

 彼の匂いが足りない。

 彼の温かさが足りない。

 彼の愛情が足りない。

 だが、それもクリスマスまでの辛抱。
 彼に初めてを捧げ、愛を睦み合えばきっと……。

 由香は嘘をついた。
 本当はクリスマスイブの日から両親がいない。
 事前にチア部、バスケ部の友人をリサーチをしていた彼女は、里奈と恵の都合の悪い日を知っていた。二人に邪魔をされないため。ただそれだけのために、十六年築いてきた友情に陰を落とした。

 ――負けない。

 里奈の言葉がきっかけだったかもしれない。

 彼女が幸太を好きだと知ったのは最近のこと。もしかしたら既にキスぐらい、と想像すると、彼女は焦りを覚えた。踏み込まずにいたのは、彼女の少女趣味ゆえ。初めてのキスを欲情に煽られた幸太に奪われてしまったのは、嬉しくもあり、せつなくもあった。

 処女はもっと大事に散らせたい。

 たかが日付に惑わされる自分を哂いつつ、彼女は彼に見立てたペンを奥に差込、一人虚しくわなないた……。


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