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春に生まれた彼女へ
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春に生まれた君  〜僕とおしるこ〜-2

「…あ」

「何?」

「そーいえば、望月さんは寝るときに抱き寄せる癖があるんですか?」

「いや?そんな癖なんてないけど、なんで?」

「私の誕生日祝いで雑魚寝してた時なんですけど、隣に私寝てたんです そしたら望月さん、いきなりグッと抱き寄せてきて、何故か腕枕してくれるし 名前呼んでみましたけど、反応ないし、寝惚けて誰かと間違えたのかなって」

「―あ そういえば夢かと思ってたけど、あれって現実だったんだ」

「あははっ なんかすごくヨシヨシって頭なでてくれるし、何回もこたつ布団かけてくれるしで、とっても優しかったですよ?それで、だんだん暖かくなってきて、眠っちゃいました」

夕が無邪気に言う。
数々の所行をきくうちに、だんだんと恥ずかしさがこみ上げてきた。
というか、頭なでなでってなんじゃコリャ。

「…あーほんとごめん うわ 僕が無理矢理抱き寄せたんだな ほんとごめん」

「いえ、私も安心しちゃったし、気持ちよくて、つい寝ちゃいました…し…って、あの、いや、えっと…」

僕が赤くなるにつれ、夕も自分で言っている事が恥ずかしくなってきたようで、顔が真っ赤だ。
二人してあたふた。

「―っ もう1回おしるこ買ってくるわ!」

僕は誤魔化すように、もう一度おしるこを、今度は二人分買いに行く。
すごい勢いで走っていったから、夕が小声でぽつりと言ったことなんて気付かなかったんだ。



「望月さんだから、嫌じゃなかったのかも…」


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