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シアワセサガシ
【幼馴染 恋愛小説】

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シアワセサガシ-5

─男の子と女の子がいる。

すごくちっちゃい。

泣いている男の子を女の子が慰めているようだ。

『どーしたの?』

女の子は心配そうに、男の子の肩に手を掛けた。

『辛いの?』

目元を押さえたまま男の子は頷いた。

『ねぇ』

少し考えた女の子は明るく声を掛け、男の子の真正面に廻った。

『シアワセになる方法知ってる?』

男の子はしゃくりあげながらも顔を上げ、首を横に降った。顔は逆光のようになっていて分からない。

『知らないの?』

こくんと一つ頷く男の子。

『じゃあ教えてあげるね』

男の子の口元が笑っている。それを見た女の子もにっこりと微笑んだ。

『あのね─』




「ん…れ?また…」

見渡すとそこは私の部屋だった。
大聖に家まで送ってもらった後、私は真っ直ぐ自分の部屋にこもった。
着替えもせずにベッドに寝転んでいたらそのまま寝てしまったらしい。
スカートのプリーツに皺が寄ってしまっている。
私はため息を付きながら制服を脱ぎ、ハンガーに掛けると簡単な部屋着に着替えた。
時計はもうすぐ9時というところ。
とりあえず部屋の電気を消してキッチンへ向かった。


キッチンには朝からそのままのトーストが置かれていた。
私が起きてくると必ずある冷めたトースト。
私はそれをゴミ箱に捨てた。
お母さんは私が起きる前に仕事に行き、私が帰ってくる前に一度家に戻り夜の仕事へ出かける。
そういえばここ一週間お母さんに会っていない。
どんな顔だったかも忘れつつある。
私はソファーに膝を抱えて座った。顔を埋めて目を閉じる。
だんだんと私が小さくなって行くような気がする。

『いなくなっちゃいそうで』

大聖の声が頭に響いた。
そうだよ、大聖。
私、いなくなりたいって何度も思ったことがあるよ。
友達と呼べるような人もいない。寄ってくる男は体目当てだし…。
小さい時から孤独だった。
寂しくて味気ない世界に幸せなんか無い。
ずっと幸せになりたくて、幸せにしてくれる人を探していた。

ねぇ大聖…

大聖は

私を…。


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