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あごがすきなんです。
【フェチ/マニア 官能小説】

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あごがすきなんです。-4

***


思っていた通り、その部は特にやることが決まっているわけではなく、時々映画を見てそれについての感想を言い合うほかは飲み会ばかりだった

だけどみんな良い人だったし、みゆきもいるし何も不満はなかったのだけど…

問題は、私だった

気付くといつもあの先輩…
…杉山先輩のあごを見ていた


先輩の顎…なんて綺麗なの


初めはそんなふうにあごばかり見ていたのだが…私は少しずつ杉山先輩自身にも好意を抱くようになっていった

他の部員が散らかしっぱなしで帰ってしまった部室をいつも黙々と片付け、飲み会の時は酔い潰れることなく他の人を介抱している…

大袈裟にアピールしたりせず、いつも控えめにさりげない気遣いを出来る先輩をとても素敵だと思った

「真紀ちゃん…真紀ちゃーん!」

目立たない所で、いつも先輩は…ん?

「!ごめんみゆき、何?」

「だから〜映鑑の先輩かっこいーよねって話!」

映鑑…映画鑑賞部、ね

「かっこいい…かな?」

「かっこいーじゃない!私結構タイプなんだよねぇ」

誰のことだろう…

「いつも優しくてさぁ」

もしかして…杉山、先輩?

「あの…誰の、話し?」

「古田先輩に決まってるじゃん!」

古田先輩?

一瞬、顔と名前が一致しなかった
そのあとすぐに、サークル見学ですぐ後ろにいた男子学生のあごを思い出した

あー…
…あの軽そうな先輩か

私は特になんとも思わないけど…

「良かった、古田先輩で」

「んん?どういう意味?」

「あ、いや別に…」

思わず口をついて出た言葉に、自分自身軽く驚いた

「ふーん?じゃあ真紀ちゃんは映鑑の中で誰が一番かっこいいと思う?」

「えっ…」

私は、もちろん…

「…杉山先輩、かな」

「えー?杉山、先輩って…あぁ、あの無口な先輩かぁ。結構地味じゃない?」

「そう、かな」

「んー真紀ちゃんには悪いけど、私はあんまり好みのタイプじゃないかも」

「そ、そうなんだ」

私に悪いけどって…

…やっぱりそういう話、私は合わないんだなぁ

でも…良かった
みゆきは杉山先輩のこと、そんなに興味ないみたい

私はみゆきみたいにメイクとか上手く出来ないし、面白いことも言えないから、なんだか妙に安心してしまった

まぁ、誰を好きになるかは杉山先輩が決めることだけど…


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