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fantasy ability
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reality ability‐第8話‐刻印・【真】‐-3

「‥何かな?螺樹くん?」

笑顔の絢音。絢音自身は威圧感は漂う雰囲気ではないが、場の空気がその雰囲気で螺樹は少し怯む。

「‥‥司樹菜お祖母様を責めないでください。代わりに僕が‥」
「‥大丈夫よ、螺樹‥‥。絢音様、アタシは貴女の事が嫌いです。」

最初は弱々しく小さな声だが、はっきりした口調の司樹菜。しかし、少し苦しそうに顔を歪めていた。
螺樹は司樹菜の言葉を聞き、何か言いたそうだが身を退くように黙る。

「‥‥‥。」
「‥‥」

絢音はその様子を険しく見ていた。無言で鋭く尖った眼差しが司樹菜を刺す。威圧感は当たり前だが、違う雰囲気も感じられる。
司樹菜は過去を思い出すように顔を下げる。懐かしい雰囲気のなる司樹菜と‥‥絢音。

「‥無神様、自然神としての自覚はまだ無いのですか?‥“あの時”と同じように‥‥」

司樹菜は聞く。“あの時”とは過去の事だろう。‥‥絢音がまだ殺される前の話‥。

「私は自然神じゃないわ。‥‥名乗れるのは“統神 晴那様方”と皇希だけよ。」

絢音はさも当然のように言う。表情も物語るような眼差しで口の両端を上げている。絢音が知っている情報。
問題は“方”‥。統神 晴那の他にもいる。更に深まる第一世界、始永界。そこはまだ解らなかった。

「‥‥そうですか。なら、いいです。」

司樹菜はため息を吐くように言った。表情からは諦めているようだ。
すると、凰輝が喋る。真剣な表情で絢音を諭すように見ながら。

「絢音様。皇希くんならこう言いますよ。‥゛母さん、自然神として振舞いはいい。しかし、“神”として振舞いはしてくれ゛って。‥‥因みに、あくまでも予想です。」

凰輝は想像上の発言をした。その声は強気ではなかったが弱気でもなかった。凰輝は真剣な表情で絢音を見る。
対する絢音は口元には笑みを、目元には威圧感がある表情で凰輝を見ている。

「‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
「‥‥」

4人は急に黙る。その沈黙を壊すように扉が開いた。4人は驚きを隠せなかった。それもそのはずだった。扉には4人分の魔力で封じたからだ。
扉を開けた主は皇希ではなかった。いや、皇希はいるのだが、織音が扉の取っ手を掴んでいたのだ。4人は更に驚愕した。

「‥‥“刻印詠唱”と“解封詠唱”よ。驚かないで。」

織音はさらりと言った。その言葉に司樹菜が反応する。


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