投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

未完成恋愛シンドローム
【同性愛♂ 官能小説】

未完成恋愛シンドロームの最初へ 未完成恋愛シンドローム 39 未完成恋愛シンドローム 41 未完成恋愛シンドロームの最後へ

未完成恋愛シンドローム - 目覚め --8

―すっかり忘れてた・・・。
「んじゃ」
「カイ」
「ん?」
とっさに引き留めようと声をかける。
「・・・いや、」
けど、別になにを言いたかった訳でもない。
「・・・なんでもない」
「?変なイヴ」
そう言って、カイトは笑って走って行った。
「・・・」
「・・・・」
後に残されたのはオレと、さっきからなにも言わないコタロー。
「・・和葉から聞いた?」
オレ達は次の授業数学なんで、特に時間が差し迫ってる訳でもない。
別にだからって訳でもなく、沈黙に耐えらんなかった訳でもなく、あんなことされても元はダチだから、話くらいはしてやろうと思って、喋り掛けた。
「聞いた」
「どーすんの?あんた」
不思議なもので、一度喋るとそれほど抵抗なく次の言葉が出てくる。
「どーするもなにも、俺ん家集まんのは決まってんねやろ」
ポケットに手を突っ込んだまま答えるコタロー。
未だに視線は合わない。
「・・そーいやさっき、」
「?」
「カイトになに渡されたん?」
初めてコタローと目が合った。
「・・薬」
「は?」
予想してなかった答えに、思わず声を上げた。
「この頃眠れへんから、睡眠薬」
「・・・睡眠薬?」
―そんなんあいつ持ってたか・・・
思って、うちにある母さんが飲んでる薬のことを思い出した。
「ああ」
納得した。けど―
「なんであんたが眠れへんねん」
自然に言葉が出た。
「・・・」
「・・オレが眠れへんねやったら判るけどな」
実際、今日も寝たのは朝の5時前だったりする。
「・・・・」
「・・・」
お互い、なにも言わなかった。
その空気が嫌で、そのまま背を向ける。
「・・なんも言わへんねんな、お前」
そう言って、歩き始めた。
それでもコタローの声は聞こえなかった。

・・・・・。

6限目も後10分ほど。
現国の先生が抑揚のない声で読む教科書の文が、まるでお経のように聞こえる。
「・・・・・」
―眠い。
シャーペンの端で眉間を圧す。
無論、そんなことしても眠気は飛ばない。
判っていてもやってしまうってことは、多分クセになってるんだろう。
「・・・」
―こんなこと考えてる時点で、完全にやる気ないよな・・・。
ふと、コタローの席に目をやる。
「・・・・」
爆睡かい。
―現国嫌いやもんな、そーいや。
そうは思うものの、一体どこが睡眠不足なのかと聞きたくなる。
さっき昼休みが終わった後、和葉からもコタローに依存がないことを聞いた。
既に知ってたことではあるけど、なんでコタローに依存が無いのかの方が不思議でしょうがない。
あの後なにをしてたのか、渡り廊下で話した後、コタローはなかなか帰って来なかった。


未完成恋愛シンドロームの最初へ 未完成恋愛シンドローム 39 未完成恋愛シンドローム 41 未完成恋愛シンドロームの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前