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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 最終話 「あたしの事件慕」-4

◇――香川澪――◇

 あたしにとって初めてのそれは、想像していた甘く切ないモノではなく、少しショッパイ、汗に似た味と少し硬いモノ。

 正直な感想は、なんか気持ち悪い。

 真琴は驚いたらしく、目をパチクリさせる。瞑ってろって言ったのに。
 目が合うたびに自分の行為を意識させられ、身体を熱くなる。耐えられずに目を瞑ると、唇の感触がより鮮明になり、乾いた唇に潤いが訪れる。

「ア、ン……ッ」

 思わず吐息を漏らすと、真琴の手があたしの肩を抱き寄せてくる。そうなると自然に唇にかかる圧力も強くなる。耐え切れず口を開くと、暖かい何かが進入を開始してきた。

 真琴の……舌?

 クラスメートの話だと『唇を合わせるだけならお子様のキス』らしい。
 じゃあ『大人のキスはどんなの?』と聞いたら、『舌を絡ませる』と言われた。

 今しているのは大人のキスなんだ……。

 最初は気持ち悪いと思ったけど、ザラリとしたミライが意外に心地良い。
 真琴は顔の角度を変えながら、よりあたしの中にはいってくる。
 酩酊に似た感覚に足の踏ん張りが利かなくなる。その内、中腰の姿勢から身体を預けるように倒れこんでしまい、そのまま真琴の膝に座り込む。その間も口腔内は順調に侵略され、異様に溢れてくる唾液を略奪される。

 ……チュパッ、ニュパ、ジュルリ……。

 耳障りな音……、なのに舌先から伝わる快感が、行為を求めさせる。
 身体から力が抜け、このまま真琴に身を任せてしまいたいと思う。
 だけど、こんな華奢な体躯の真琴にそれができる?
 胸板は薄く、腕だって細い。太ももで感じる膝だって厚みがないし、全体的に頼りない……? 何かが膝の裏をつつくけど?

 正体を確かめようと、手探りで膝の辺りを探すと、何か棒のようなものを見つける。

「ちょっ、澪。それはダメだよ……」

 思い切って握ると真琴は驚いて身を離し、抱擁を交わしていたハズの舌もそれに合わせてあたしを置き去りにする。それでも名残惜しそうに粘液質の唾液が、二人を結んでいて切ない。

「太ももに当たって、気になって……」

 涙目になる真琴、昔一緒に遊んでいたときに少しからかうと、こんな感じになったっけ……思い出して少し笑うと、怒ったらしく顔をしかめる。

「ゴメン、ゴメン、そんなに怒らないの……って、真琴!?」

 頭を撫でてあげようとすると、いきなりあたしに抱きつき、そのままベッドに押し倒す。
 さすがにお姫様抱っこは無理でしょうけど、もっと優しく扱ってもらいたい。
 それに、あたしはそこまでするつもり……どうしよう……かな?

「澪……すんっ、ぐす……」

 なのに、予想に反して真琴はあたしの胸に顔を埋めたまま。


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