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そして私は俺になる
【青春 恋愛小説】

そして私は俺になるの最初へ そして私は俺になる 11 そして私は俺になる 13 そして私は俺になるの最後へ

そして私は俺になる-12

 空を最後に見上げたのはいつだったであろうか。私は散らばった洗濯物を畳みながら思った。こうして思い返してみると、私の中学時代はそう悪いものではなかったのかもしれない。そう思えることはとてもすばらしいことのように思えた。

「パパ」

 背中に軽い衝撃を受けて振り返ると、渚が私の背中にしがみついていた。その奥で翔がもじもじと何かを隠している。

「渚、重いからやめなさい。どうしたんだ、翔?」

 私がそういうと、二人は顔を見合わせてから、翔が一枚の絵を広げて見せた。それは、妙に若々しい私の絵だった。

「パパ、お誕生日おめでとう」

「…そうか、今日は俺の誕生日か」

 それを聞いた渚がくすくす笑いながら言った。

「パパ、オレとか言ってる」

 渚と翔は二人で変なのーとか言って笑いあっていた。いやいや、今の俺だって昔と負けないくらいに悪くない。

 今度、久しぶりにキョウに連絡をとって、一緒に番長のお見舞いに行こう。





おしまい


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