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僕とあたしの夏の事件慕?
【幼馴染 官能小説】

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僕とあたしの夏の事件慕? 第三話 「引っかかる部分?」-2

◆――葉月真琴――◆

 朝起きたら何かが違っていた。最初はベッドが違うからかと思ったけど、そうじゃない。寝る前に枕元に置いていたハズの手記が無くなっていたのだ。

 僕は慌てて部屋を探す。
 タオルケット、シーツを剥ぐが見当たらない。クローゼット、テーブルの上、リュックの中身もひっくり返したけどやはり無い。

 ……どうしよう、勝手に持ち出したうえに失くしてしまうなんて。

 急にドアが開く。振り返ると澪がいた。しかも、なんだか怒っているみたい。

「み、澪、な、何の用」

 できるだけ平静を装ったつもりだけど、声は充分震えてる。

「何の用じゃないわ! 無くなったのよ!」

「ゴメン、今朝起きたら無くなっていたんだ。今探しているんだけど……」

「何のこと? 真琴も何か無くしたの?」

 なんか話がかみ合っていないぞ? 手記のことじゃないの?

「そんなことより鍵よ。別荘のマスターキーが無くなったのよ!」

「マスターキーがなくなった?」

 手記のことじゃなくてひとまず安心したけど、もっと大きな問題が発生してたみたい。

***―――***―――***

 澪と一緒に応接間に向かうと、既に皆集まっていた。
 無くなった鍵は当主である椿さんが管理しており、昨日の夜もしっかりと自分の部屋に保管していたという。
 愛美さんも各部屋の掃除を行う為、マスターキーを持っているのみたいだけど、当主の間は開けられない仕様らしい。当主の間を含めた全ての部屋を開けられるのは真のマスターキーだけ。

「それで、椿さんは他に何か盗られた物は無いんですか?」

「ええ……多分」

「なんであんなに散らかってるの?」

「今探してたら、散らかっちゃって……」

「もう、姉さんったら探し物下手ね」

 梓さんの言葉に照れ笑いを浮かべる椿さん。
 僕は二人の間を縫って部屋を見回した。窓が割られていたりしてないみたいだし、ベランダへの鍵もかかっている。


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