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見返りは君でイタダキマス
【理想の恋愛 恋愛小説】

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見返りは君でイタダキマス-2

誰を、って…そりゃあ、誰、もいないし…
そもそも重ねてなんていないし

理想高すぎるって、いるんだって現実に。
しかもあなたより私より年下の、子供で。
いるのよ、正に理想がいるの…〜〜っ!!


「しょうがなかったんだって」
「んー…」

内心大暴れで叫ぶ私を、まだへこんでると勘違いした楓は優しい。

………どっかに楓みたいな人いないかな

初めて会ったころから、楓は私の好みな顔立ちだったけど。
あれでヤバいと思ったんだ。


中学生の私に、まだ低学年の楓。

部活のゴタゴタでどうしようもないときに、楓がしてくれたの、今も忘れられない。

「ミカちゃん…がんばってるね。えらいえらい」

大人には『そんなこと』で、友だちには『ガンバレ』か『辞めちゃえば』の二つしかもらえなかった。

私には『そんなことじゃないから』がんばった。

『これ以上ガンバレない』くらいがんばった。

『辞めたくない』からがんばった。


がんばったし、がんばってるよ……

どうしていいかわからなくて、そんなとき、楓が言うんだ。
私はがんばってるって。
偉いんだって。


なんだか上手く言えないけど……今までのこと全部大丈夫だって間違ってないって、自分を信じられた。



それ以来、楓は可愛い弟で、……私の理想になっちゃったんだ。

いや!………理想ていうか基準?!基準!!
そう!
基準があのときみたいな優しさをくれる人っていうか…

いつも付き合っても肝心な部分にズレを感じてしまう。
価値観の違いって言ったらそこまでなんだけど…


楓とは、…そんな面倒ごとなくずっとこんな関係で付き合っていきたい。

だからね…そう。
楓を、彼氏にしたいわけでは、ない。
たぶん、ない。

いや絶対、ないない。





そう、―――思ってた。

街の雑踏の中で楓を見かけて声をかけてやろーっと近づいた。

けど…横に制服姿の女の子を見つけて、なぜか近寄れなかった。


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